国会運営と外交戦。安倍政権と日経平均。
(午前1時の更新です)
昨日の日経平均はなんとか続伸。
ただし、30.30円と非常に小幅にとどまり、
勢いを感じさせる上昇ではありませんでした。
朝方は米朝首脳会談への前進が好感され、
それなりに高く始まったまではいいものの、
すぐに勢いを失って失速してしまい、
前場のうちに一時、マイナス圏に沈んでいます。
やはり米朝首脳会談だけではやや弱いようです。
先週、日経平均が下げた要因は他にもあり、
トランプ政権の自動車関税による日米貿易の混乱や、
国内政局で再燃し始めた安倍政権の苦境など、
まだ好転の兆しが見えない悪材料があります。
安倍総理は6月初旬の訪米によって、
様々な懸案を解決したい構えのようですが、
足元の政局劇はかなり不穏な情勢となっています。
昨日、開かれた参院と衆院での予算委で、
総理側が苦しい答弁に終始していたことは、
やはり市場の勢いを削いだ要因と思われます。
前号メルマガ(第214号:5月27日)で指摘した法的な問題が、
やはり予算委員会で野党の側から提起されてしまっており、
総理の側は論理的にこれを否定することができていません。
幸い(?)にも世間の関心は「もりかけ」より、
北朝鮮や日大アメフトなど他に向かっていますから、
政権としては今後、疑惑を論理的な解消していくよりも、
「数の力」で強引にでも疑惑追及の機会を封じてしまい、
国会運営を乗り切るほうが現実的かもしれません。
そのためには明後日のQTをなんとか乗り切った後、
外交戦を中心とした別の政策課題を目立たせて、
「やはり安倍総理でなければ」という機運を、
いかに醸成するかにかかっていると思われます。
しかし、そう簡単に問屋が卸すかどうか。
安倍政権はよろめきながらも「茨の道」を歩き通し、
なんとか今国会を会期内で閉じたいところですが、
肝心の「ヤマ場」でつまづいてしまっています。
とにかくQTを無事に越えられるか不安ですし、
まだまだ重要法案の処理日程も不透明であり、
小幅の延長幅はやむを得ない状況ともいえます。
今日あたりは「働き方改革」法案の衆院通過が、
どんな形になるかは焦点のひとつですが、
野党側の抵抗戦術の在り方によっては、
政権はまた傷を広げる恐れもあります。
為替と株が連動しないことはしばしばありますが、
政権の強さと日経平均は明確に連動していますから、
今後の国会運営と外交戦の双方において、
安倍政権がどう難局を突破するかは最重要事項です。
6月にかけての一連の重要日程は始まったばかり。
引き続き気を抜けない展開が続きます。
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