昨日の日経平均はわずか28円の上昇。

FOMCを無事、波乱なく通過し、

来週からの政権の「反転攻勢」を前にして、

もう少し上昇に勢いがあっても良さそうですが、

110円台まで進んだ円高などが重しになり、

引けにかけて随分と値を消してしまいました。

為替については安倍政権のコントロール外ですが、

経済政策の「玉」は自前で錬ることができます。

来週に迫った内閣改造に絡む形で、

しっかりとパンチのある「玉」を出し、

今後、株価を一段高に持っていくことが、

政権浮揚の絶対条件と言ってよいだけに、

内外の投資家が「期待」する局面でもあります。

ただ。

「夏の政局」はどんどん進んでいます。

昨日は民進党・蓮舫代表の衝撃的な電撃辞任。

そして、稲田防衛大臣も同日のうちに電撃辞任。

激震に次ぐ激震で、永田町は激しく揺れました。

もっとも、前号メルマガ(第170号:7月23日)等で、

蓮舫氏本人が辞意を漏らした「噂」を書いていますが、

永田町ではある程度、予想された結果ともいえます。

ともあれ、「夏の政局」は一段とヒートアップします。

先日、野田幹事長以下が辞任するのに、

蓮舫代表が職に止まると発表された時点で、

野党の多くの人々はがっかりして肩を落とす一方、

与党の人々はガッツポーズを出したものですが、

今や最強の「安倍応援団」となった蓮舫氏が、

野党第一党の代表から自ら降りるのであれば、

政権側の戦略はまるで狂う恐れがあるわけです。

「民進党の混乱が続くようであれば、

安倍政権はしばらく安泰」となるわけではなく、

民進党の次期代表が誰になるのか、

また、どんな形で野党勢力が収斂されるのかで、

安倍政権も自民党も重大局面を迎えかねません。

勿論、目論見が狂ったのは安倍政権だけでなく、

与党内で「ポスト安倍」の機会を窺う人々や、

民進党の外で「政界再編」を考えていた人々も、

皆、一様に戦略の見直しを迫られています。

まことにもって「政界は一寸先が闇」です。

政界は流動化の可能性も含めて、

いよいよ先行きが不透明になってきました。

これに伴い、安倍政権の「延命策」として、

いったん消えたとみられる「大技」や「奇策」も、

また再浮上して取り沙汰されていますので、

次号メルマガ(第171号:7月30日)で触れます。

さて。

ここで投資家として考えるべきこととして、

・いつまで安倍政権は持つか

ということであり、近いうち政権が退陣するなら、

・後継政権はアベノミクス路線を維持するか

という点が最も重要であるといえます。

実際、「ポスト安倍」については、

現時点でいくつかのシナリオがあるわけですが、

誰が政権を奪取するかによって、

経済政策がどうなるかはある程度、予想がつき、

日経平均の長期的な展望もそれに従ってきます。

次号メルマガでは「ポスト安倍政権」について、

今、永田町で語られるいくつかのシナリオを整理し、

それぞれの場合に経済政策がどうなるかを、

「とれとれ」のナマの情報を交えて分析します。

売りであれ、買いであれ、

今後の日経平均について考えるにあたっては、

この点こそが最も重要視すべき要素と私は考えます。

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