「反転攻勢」に主軸を移せるか。
昨日の日経平均は116.06円の上昇。
引けにかけてだいぶ値を消しましたが、
来週からの「反転攻勢」を前にして、
市場が落ち着き、買いが広がっているのは、
安倍政権にとってもひとつの「追い風」です。
今週は日経平均にとっても「正念場」ですが、
昨日は、少し、明るい材料が続きました。
「貿易戦争」に関する中国の姿勢は、
市場にとってひとまず好材料であるといえます。
報復の連鎖ではなく市場の開放を優先するという、
中国の習近平国家主席が昨日、示した姿勢は、
自由貿易体制の未来に希望を抱かせるものです。
米国政府が自由貿易体制を破壊する一方で、
中国共産党が自由な貿易を擁護・推進するとは、
なんとも倒錯した印象を受ける話ではありますが、
米国以外のほぼ全ての主要国が、
自由貿易体制を維持すべく努力していることは、
少なくとも市場にとっては明るい話題といえます。
「地政学リスク」についても少し進展しています。
米国から北朝鮮との首脳会談について、
水面下で話が具体化していることが示されていますが、
ついに北朝鮮も米朝首脳会談について言及しました。
本当に実現するか危ぶまれた米朝会談でしたが、
米朝双方で実現への準備が進んでいるというのは、
日経平均にとっても安心材料といえるでしょう。
また、シリアで化学兵器が再び使用されたことで、
米軍の軍事行動の可能性が俄に高まっていますが、
中東で事態が緊迫するのは朝鮮半島の緊張を低下させ、
「対話」路線を推進させる材料にもなりますので、
昨日のところは日経平均にプラスだったようです。
国内政局もギリギリのところで踏ん張っています。
朝日新聞の「加計問題」についてのリーク報道は、
かなり大きなネタであるのは間違いありませんが、
当事者である柳瀬氏が即座にコメントを発して、
報道内容を全面的に否定する強い対応をしました。
「森友事件」で改ざんが報道された直後とは、
明らかに違う毅然とした対応であり、
市場にとっては心強い内容であったといえます。
ただ、愛媛県の見解はこれと食い違い、
また、過去の答弁との整合性もちょっと怪しく、
本件の疑惑追及はこれから長く続きそうですが、
政権側にとって「好都合」なのは、
行政府の問題を追及すべき野党が、
てんでばらばらの内ゲバ状態にあるために、
政権を突き崩す質問がまるでできないことです。
今日行われる衆議院予算委をなんとかかわせば、
国内政局での野党側の攻勢はひとまず一段落し、
政権は来週からの「反転攻勢」に主軸が移せそうです。
(といっても問題自体は全く収束しませんが)
前号メルマガ(第207号:4月8日)で書いた通り、
国会日程と外交日程の勘案を考えるならば、
政権の存続に道筋がついてくるものと思われ、
2月からの悪い連鎖を一段落させるためにも、
今日は相当に重要な一日といえます。
日経平均が「本来あるべき水準」まで戻した上で、
来週からの「反転攻勢」を迎えられるかどうかは、
今後の上値余地を推し量る上でも大きいですので、
よく注視して過ごしたい一日です。
もっとも、うまく「反転攻勢」に主軸を移せても、
一連の外交戦の先にある展開は、
またかなりシリアスなものになりそうですので、
上値を追うにしても制約がかかります。
この点は次号メルマガ(第208号:4月15日)で。
☆
☆
★メルマガのお申し込みはこちら⇒「申し込みページへ」
※当月中のお申込みいただいた方には、当月発行分のバックナンバー(第206号:4月1日発行、207号:4月8日発行)が届きます。
【↓↓↓いつもお読みいただいて、ありがとうございます。少しでも参考になった方、面白いと思われた方は、以下のランキングページにクリックをお願いします↓↓↓】
※ バックナンバーについてはこちら → 【時鳥・政経レポート「天の時」メールマガジン・バックナンバー2014】 アベノミクスの進撃
【時鳥・政経レポート「天の時」メールマガジン・バックナンバー2015】 霞が関の予言「日本未来設計図」 【時鳥・政経レポート「天の時」メールマガジン・バックナンバー2016】 「AI時代」と「百年の富」
※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場観、相場分析、トレード・ノウハウをお伝えすることが目的です。読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。
※本メールマガジン及び時鳥氏へのブログ等のコメントは時鳥氏及び時鳥メルマガ発行委員会の広報物あるいは著作等に使用させていただくことがございます。あらかじめご了承ください。
コメントを残す