外交と内政の「反転攻勢」。
昨日の日経平均は107.22円の反落。
ちょうど一昨日に上昇した分が、
利確に押されて消えてしまった格好です。
海外市場にも様子見が広がっています。
シリア情勢が不穏となっているのは、
朝鮮半島の緊張を当面、和らげはしますが、
米ロは真っ向から対立する構図になっており、
万一、米軍が電撃的な軍事行動に出れば、
欧米市場にショックが走りかねないところです。
シリア問題についてのトランプ大統領の対応は、
どうも一貫性がなく支離滅裂ではありますが、
決断したら前後の文脈と関係なく動きますので、
やはり警戒しておくに越したことはありません。
一方、国内政局のほうは衆院予算委が終わりました。
安倍総理が来週にも訪米することもあって、
一連の疑惑を追及するための次の国会日程は、
しばらく、入る兆候がありませんから、
安倍政権は4月の「突然死」を免れたといえます。
ただ、昨日の予算委は総理側の対応は良くなく、
鮮やかに追及をかわしたとは言い難い状況であり、
むしろ疑惑追及の火種を残した形になっています。
総理の答弁の歯切れが悪いのも無理はなく、
愛媛県知事が記者会見まで開いて文書の内容を認め、
「総理案件」と聞いた事実を主張したことで、
政府・与党は柳瀬元秘書官の参考人招致を、
どうしても認めざるを得ない状況になっています。
「森友事件」での「次の証人喚問」も燻っており、
一連の外交戦でよほど空気を変えることができないと、
疑惑追及は泥沼はさらに深まることなり、
政権の体力はじりじりと奪われそうです。
その意味では政権側が「しのぎ切った」とは、
ちょっと言えない後味の悪さが残ったまま、
安倍総理は一連の外交日程に臨むわけであり、
国内政局が外交戦に与える悪影響のほうも、
気にかける必要があるといえましょう。
ともあれ、満身創痍という状況ながら、
政権は来週からの「反転攻勢」に備えます。
関係国の動きは激しくなっており、
どこまでの成果が期待できるのかどうかについて、
また次号メルマガ(第208号:4月15日)で見極めます。
それから、政権が準備する「反転攻勢」として、
内政面での大きな「玉」も急浮上していますので、
これも次号メルマガで詳しく触れる予定です。
政権としてはこれがうまく世論に受け入れられ、
政権支持率を浮揚させると考えているようですが、
経済政策の「玉」に注力するのと違って、
株価浮揚の効果は大きくないかもしれません。
しかし、政権が存続の道を確保した上で、
秋の総裁選で延命するためには、
よほど思い切った「玉」を手がける他はありません。
それがまたアベノミクスが存続する可能性に、
かなり影響するところでもありますので、
投資家としても強く興味と関心を抱く話です。
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