(午前0時の更新です)

昨日の日経平均は大きく値を下げました。

前夜に公表された1月のFOMC議事録に、

「利上げペースの加速」の可能性が明記されており、

これを受けて「長期金利」が再び上昇に転じました。

2月初旬の大暴落の後、震源地である米国で、

FRBの幹部が「火消し」して回った内容を、

実際の議事録が否定する格好になっています。

これが日本市場を直撃しました。

米国の「金利」が上昇するというのは、

ドル円にとっては「円安」の要因ですが、

日本の金融政策がはっきりしないこともあり、

たいして「為替」が動かない一方で、

米国株の下落による「不安」が増幅される形で、

日経平均は大きく下げる展開となりました。

ようやく落ち着きかけたと思った矢先に、

また米国発の「金利」上昇に振り回されています。

前号メルマガ(第200号:2月18日)でも指摘しましたが、

「金利」や「為替」に関する相場環境が整うには、

最低でも日米の金融政策がはっきりする必要があり、

両国で確固として定まったものが打ち出されるまでは、

どうしても「憶測」で市場が上下しやすくなります。

ただ、昨日公表された議事録の書きぶりをみる限り、

米国のパウエル新FRB体制が打ち出す方向性が、

必ずしも株高の支援材料になる保証はありません。

日本に関しても同様のことが言えます。

日銀の総裁・副総裁の人事案が国会に提示された後、

同意人事のプロセスはちっとも進んでいませんが、

例の国会「慣行」の問題もまだクリアされておらず、

やはり「難航」といってよい状況が続いています。

また政権が掲げた株価対策面での「目玉」の政策が、

撤回含みでの見直しを迫られつつあるという、

政局的な意味での苦境ともあいまって、

日経平均をめぐる内外の投資家の心理は、

どうにも強気になれない事情があります。

こうしたなかで今週の日経平均の値動きをみると、

「2万2千円ラインの攻防」に失敗した後、

別のことを焦点にしての「攻防」へと移っています。

今、新しい相場のコンセンサスが、

形成されようとしているところですが、

次号メルマガ(第201号:2月25日)では、

日経平均が何を「攻防」の焦点としているかを、

ひとつの分析の柱とすることで、

年央に向けての今後の相場シナリオを考察します。

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