アベノミクスの未来は依然として「黄信号」。
先週金曜日の日経平均は前日比6.83円安。
企業業績は悪くなく、為替も円安気味に推移。
内外の情勢が穏やかでさえあれば、
もう少し上昇してもよい局面と思いますが、
いかんせん読みづらいファクターが満載です。
もっとも「地政学リスク」のほうは、
やや落ち着いて推移しつつあります。
北朝鮮はここしばらく大人しくしており、
中東と欧州も大きな動きはありません。
クルド独立やカタルーニャ独立の動きは、
確かに気になるところではあり、
将来的な「波乱」の種として蒔かれていますが、
現時点で当事国・周辺国は黙殺する構えです。
したがって、日経平均の行方を考えるにあたって、
気になるのはやっぱり国内政治がどうなるかです。
衆院選の公示まであと1週間あまり。
前号メルマガ(第180号:10月1日)で詳述したように、
「選挙の構図」がガラリと変わったことで、
希望の党は大躍進をしそうな情勢になっていますが、
小池氏側が単独で過半数を制して政権をとるのは、
これまでの「仕掛け」ではまだちょっと無理です。
そもそも過半数を押さえて政権を取ろうにも、
希望の党には過半数分の候補者もまだいません。
ならば誰かと連立を組むしかないはずですが、
「寛容な保守」を標榜して旗揚げした政党が、
冷徹な「排除の論理」へと急旋回したことで、
リベラル勢力や本当の「寛容な保守」の人々からは、
すでに「敵」として認定されようとしています。
政治は生き物であり、政界は一寸先が闇です。
状況は目まぐるしく動いています。
昨日の夕刻、リベラル勢力は腹を固めた模様で、
枝野氏らは「民主党」を復活させるといいます。
「安倍政治は嫌だ」と考える有権者の票が、
希望の党に向かわないようであれば、
自民党にとっては胸を撫で下ろす展開でしょう。
政治の世界のルールは非常にシンプルで、
「相手より多くの人を集めたら勝ち」
というたったこれだけのことしかありません。
小池氏にはまだ「大技」が残っていますが、
準備をしてきた「大技」を繰り出すより先に、
おのずと決着がつく可能性があります。
いずれにせよ、最後の有権者の判断ですから、
各党、各社の調査を注視してまいります。
もっとも、小池氏が「天下取り」に失敗しても、
安倍総理にとっては胃が痛くなる展開は続きます。
自公側がなんとか選挙に勝つにしても、
党内でくすぶる「安倍降ろし」をかわして、
その後の政権運営を円滑に進めるためには、
よほどの努力と工夫が必要になってきます。
アベノミクスの未来は依然として黄信号です。
次号メルマガ(第181号:10月8日)は、
公示日直前の配信になります。
「選挙の構図」はほぼ固まっているでしょうから、
「選挙後のシナリオ」を絞り込んだ上で、
年末までの相場の展望を分析する予定です。
安倍政権とて、「大どんでん返し」の逆転技が、
まだ、ないわけではありません。
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