内外で衝撃の連鎖。政権の存続は依然として「黄信号」。
昨日の日経平均は小さく反発。
米国市場が株高に転じたことで、
日経平均も買いが先行しましたが、
米国が発表した対中制裁の原案を受けて、
上昇ムードに水が差されてしまいました。
突発的な事態がまだまだ続いており、
なかなか相場が安定しません。
1300品目、5兆円規模という輸入制限の発表は、
やはり衝撃的なものといえます。
とりわけ知財関連の品目は中国経済にとって、
今後の成長の柱になるものですから要注意です。
また、それ以上にショッキングだったのは、
その後、中国が即座に示した報復措置のなかに、
大豆など米国中西部の経済を支える、
戦略的な品目が含まれそうであることです。
「貿易戦争に勝者はない」といいますが、
中国に「貿易戦争」を仕掛けた側の、
米国経済にも巨大な悪影響が出かねません。
もっとも、米国の輸入制限実施は2か月先であり、
中国側との「対話」が前提になっています。
最初にハッタリをかまして高い要求をした上で、
妥協と譲歩を交渉のカードにしていくというのは、
いつもの「トランプ流」であり「中国式」です。
このまま「貿易戦争」が継続すれば、
米中両国の経済に致命的な影響が出るために、
おそらくこの2か月の間に双方が妥協をして、
穏健な形に落ち着く可能性はあるとみられており、
実際、昨夜の米国市場はそうした観測をもとに、
引けにかけて切り返してきています。
これは日経平均にとってもプラス材料ですが、
いずれにせよ、米中両国の経済が動揺すれば、
当事国以上に衝撃を受けるのは日本市場ですので、
今後とも「貿易戦争」の展開には要注意です。
一方、国内政局にもまた新たな衝撃です。
年度末の国会攻防をしのぎ切ったことと、
野党側がまた内ゲバを始めたことで、
久々に国政が波静かになっていました。
このままあと1~2週間をしのぎ切れば、
「反転攻勢」に移ることは可能でしたが、
防衛省から新たな文書問題が複数、発生し、
さらには「森友事件」で新スクープが出るなど、
官邸の目論見を突き崩す新材料が飛び出しました。
とりわけ今回の新スクープは取材源も問題です。
そこに強いメッセージが込められている可能性があり、
政権としては要注意です。
今の野党ならば国会であしらうのは簡単ですが、
地検の動きが想定よりも早いようであれば、
「反転攻勢」の戦略全体にも影響してきます。
内政、外交とも「茨の道」が続く安倍政権ですが、
この時期に「反転攻勢」が阻害されることは、
「存続シナリオ」の前提を崩しかねない話です。
政権の「存続」は依然として「黄信号」ですが、
その次の段階も視野に入れる必要が生じてきて、
政界全体の潮目を変えかねない話となりかねません。
これらの新しい情報をよく整理した上で、
次号メルマガ(第207号:4月8日)で分析します。
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