昨日の日経平均は最高値を更新しそうな勢いでした。

多くの投資家がバカンスに行ってしまったのか、

売買代金は2兆1825億円とやや薄商いですが、

それゆえに、目立った売りを入れる動きもありませんでした。

中国情勢もギリシャ情勢も落ち着いてきましたから、

巷では「日経平均は22000円へ!」という勇ましい予測も、

またふたたび聞こえてくるようになりました。

無論、私はちょっと違う目線ですから、

「そろそろかな」とも思い始めてはいます。

昨夜のNY市場のIBMショック等の影響が気になりますが、

いずれにせよ、こう少し上昇してチャンスがくれば、

また、機動的に出動して利益の積み上げを狙うつもりです。

ただ、そういう短期的な値動きよりも気になるのは、

秋以降の「政局」と、来年にむけての「政策」の話です。

安保法制の強引な採決は他の全法案審議をもストップさせ、

政権の「存立危機事態」を招きそうな状況になっています。

参院では選挙制度改革の件で合意が進みさえすれば、

なんとか安保法制の審議は始まりそうですが、

肝心の「参院自民」の内部抗争が終息しないため、

他の全党が「待ちぼうけ」をくらわされています。

メルマガ読者の方には先々月からこの「参院爆弾」が、

政権を大いに苦しめる展開になることをお伝えしてきましたが、

安保法制という難題の他に、こんな厄介な問題が参院をストップさせ、

官邸周辺をやきもきさせています。

これらをみても、やはり政権をめぐる景色は様変わりしてしまっており、

こうした問題へのトラブル・シューティングが効かなくなっているため、

私は「政局」という点でもう一波乱あることを警戒しています。

そして、それよりも気がかりなのは「政策」の話。

つまり、毎年夏に行われる「玉込め」の内容です。

古くからのメルマガ読者の方はご存じの通り、

私は、今年の年明けに、年央くらいまでの見通しを申し上げた際に、

アベノミクスが政策的に繰り出す政策的な「玉」によって、

ちょうど今くらいの株価位置までは達する可能性があると、

例の●●●と●●●の指標を使って分析してきました。

(実際には、それぞれの指標はやや異なるミックスになりましたが)

しかし、その判断材料となった「玉」はもう出尽くしています。

確かに、日経平均にはまだ「上昇圧力」が効いていますし、

それゆえ「先高感」も継続し、「独歩高」になってはいますが、

ここから先、どこまで伸びるかは、「次の玉」次第です。

しかし、前号メルマガにかなり詳しく書いたように、

今、政権の手元にある「支持率上昇のための玉」はちょっと様子が違い、

今年前半の上昇相場を生み出したような「株高エネルギー」はありません。

私としては、もう少し、いい「玉」が出てこないかと思ってはいます。

安倍政権がこの「存立危機事態」を乗り越えたとしても、

やはり、アベノミクスは徹頭徹尾、「政策相場」ですから。

今後、アベノミクスのピークがこのあたりにとどまることになるか、

それとも、もう一段の上昇があるかは、ここから先の「玉」次第。

そんなわけで永田町は秋の安保法制通過をめぐってキナ臭いですが、

霞が関はもう来年の経済政策をめぐって駆け引き中です。

前号メルマガ(第65号:7月19日発行)では「政局」の観点から、

来年●頃までに安倍政権に起こり得るシナリオを分析しました。

(管見するところ、既存メディアではまだここまでの分析はありません)

次号メルマガ(第66号:7月26日発行)では「政策」の視点から、

今年後半から来年にかけて起こり得る経済シナリオを分析する予定です。

相場というのは、大づかみの方向性が間違っておらず、

投資スタイルがブレなければ、売りでも買いでも儲かるものです。

私の分析が皆様の参考になることを願っております。

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