北朝鮮クライシス、「本番」。
北朝鮮が水爆実験を実施。
予想より数日早く、
予想していたより過激な一手を、
北朝鮮側が放ってきました。
先週末には例の水準まで回復した日経平均には、
予想されたこととはいえ「冷や水」となります。
すでに為替が円高気味に推移していますが、
核実験に対するリアクションの如何によっては、
市場全体が大荒れになる懸念もあります。
今週はメジャーSQ週でもありますので、
思わぬ波乱に注意すべきかもしれません。
売るにしても、押し目を拾うにしても、
軽々に判断することなく、
情勢の推移をよく考えてからにすべきでしょう。
焦点は米国のリアクションです。
今回の核実験は「ICBM搭載型水爆」ですから、
米国にとっては最大級の脅威です。
実戦配備の時期は近いとされますし、
一部にはすでに実使用可能との観測もあります。
米国は北朝鮮との間に「落とし所」を探り続け、
繰り返し「レッドライン」を下げてきましたが、
「水爆が搭載されたICBM」となれば、
もはやこれ以上、譲歩のしようがありません。
5月に「危機」が高まった頃には、
「本当のヤマ場はまだ先」と書いてきましたが、
北朝鮮クライシスはついに「本番」を迎えました。
少なくとも北朝鮮が水爆かICBMか、
どちらかを廃棄すると約束しない限り、
米国民に直接的な脅威を容認することになります。
「当たり前」なら実戦配備が完了する前までに、
軍事攻撃をすべきで状況です。
ここまでされてもなお北朝鮮を滅ぼさないならば、
「覇権国としての米国」が滅びてしまいます。
即時の軍事行動を決断できないために、
とりあえずトランプ政権側は、
「北朝鮮と取引する全国家との貿易停止」を示唆し、
強い警告を送るにとどまっていますが、
しかしこれとてできるかどうかは疑わしいところ。
北朝鮮を利しているのは中露の石油・原油です。
中国やロシアと貿易を停止するということは、
それだけで「第3次世界大戦級」のインパクトですから、
おいそれとできるものとは思えません。
リスクを覚悟して軍事手段という賭けに出るか、
それとも70年以上も維持した覇権を放棄する形で、
大人しくリングサイドに引き上げてしまうか。
トランプ政権は究極の選択を迫られました。
もっとも。
前号メルマガ(第176号:9月3日)に書いたように、
ユーラシア大陸の反対側で北朝鮮危機に匹敵する、
「もうひとつのクライシス」の種も進行中です。
おそらく今般の一連の北朝鮮クライシスは、
その「もうひとつのクライシス」と連動しており、
それゆえに金正恩政権は超強気なのでしょうが、
政権が混乱して右往左往する米国は、
「相手側」の巧妙な罠にはまりつつあります。
前号メルマガで詳述したとおり、
「相手側」はこの9月半ばのイベントに合わせて、
必要な兵力展開をすでに終えたともされます。
米国が北朝鮮と戦闘状態に入った場合、
別の前線でも戦端が開かれるようであれば、
米国にとっては抜き差しならないことになり、
場合によっては「第3次世界大戦級」の「危機」です。
9月は厄介なことが目白押しと書いてきましたが、
早くも究極に厄介なことが複数、連鎖的に押し寄せ、
世界中を緊張させつつあります。
安倍政権にとっての政治的な効果はともかくとして、
日本国民にとっては情勢がどちらに転ぶにしても、
極めて嫌な展開であるのは間違いありません。
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