北は「レッドライン」を超えたのか。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均は寄り付きこそ高かったものの、
朝から北朝鮮が「冷や水」を浴びせてきました。
先週のブログでも触れましたが第1次安倍政権の頃から、
「北朝鮮が騒げば安倍政権が浮上する」
という妙なジンクスが囁かれており、
しかも奇妙なことに安倍総理の「ここ一番」では、
いつも決まって北朝鮮が騒動を起こしてきました。
それゆえ、「都議選の前後に何かあるだろう」と、
永田町の人々が「酒飲み話」で語っていたものです。
もっとも、今や北朝鮮は年がら年じゅう、
見境なしにミサイルを乱射している状況ですので、
別に日本の政局を意図したわけではないでしょうが、
しかし昨日の発射は日本の政界にも衝撃でした。
もし、北の発表通りにICBMであったなら、
ついに「レッドライン」を超えた恐れがあり、
もはや「酒飲み話」では済まなくなるからです。
今年4月に半島情勢が急速にエスカレートした際、
トランプ政権のティラーソン国務長官は、
「我々がICBM完成と判断したら重大ステージ」と、
かなり明確に「レッドライン」を示しています。
中国と北朝鮮の間の交渉期限が迫りつつあり、
しかも全体的に思わしくない方向だとされる中で、
こうして北が「ICBM」と主張するミサイルを発射し、
その成功を高らかに宣言するということは、
この4月以降、最も挑発的な振る舞いといえます。
しかも米国の独立記念日を狙った「狼藉」です。
もっとも、米国側が設定した「レッドライン」とは、
あくまで「我々が判断したとき」ですので、
米軍が「あれはICBMではない」と判断したならば、
北朝鮮は「お咎め無し」ということになります。
また、昨日のものは「5月と同じ」という観測もあり、
本当にICBMだったのかどうかもまだ疑問が残ります。
実際、日経平均は瞬間的に2万円は割ったものの、
まだ「パニック安」のような展開にはなっていません。
ただし、北朝鮮が「ICBMが完成」と主張しているのに、
甘い顔をしてそれを見過ごしてしまったならば、
今後、誰も米国の言うことを聞かなくなるかもしれず、
トランプ政権がどう判断するのかが注目されます。
いずれにせよ「中だるみ」となっていた半島危機が、
再びエスカレートして燻るようになれば、
日経平均が「ふわりと軽くなる」のは遠ざかります。
ただ、投資家として頭が痛いのは、
「地政学リスク」の台頭が必ずしも、
円高株安だけをもたらすわけではないことです。
少なくとも日本国内の「政治リスク」は、
半島の「地政学リスク」と相反することもあります。
そうしたこともあってか昨日、国会の閉会中審査ついて、
「総理の外遊中にやる」といった強気な提案を、
政権側は野党4党にぶつけています。
本当に隣国で戦争が起こるようなことになれば、
都議選の衝撃はどこかに吹き飛ぶかもしれません。
連日、のっぴきならない大事件が連続し、
日経平均の先行きを不透明にしていますが、
可能な限りの情報を集約した上で、
次号メルマガ(第168号:7月9日)で分析します。
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