市場全体がナーバスになっています。

NY市場の「異変」を受けて、昨日の日経平均も一時600円もの下げ。

もっとも、日経先物には切り返す動きもみられましたから、

一昨年までのように一方的に売り崩される展開にはなっています。

日本政府側にはまだ「弾」(現金)がありますから、

これに期待した個人投資家も逆張りで入っているようです。

昨日の「防衛線」は18700円近辺といったところでしょうか。

NYもいったん下げ止まっていますので、

ここらあたりの株価位置を死守できれば、

まだ、「掉尾の一振」でふたたび年末に上を目指すことも可能です。

(逆にここが崩れたらちょっと厄介です)

いずれにせよ、FOMCを通過して、

相場環境がクリアにならないとなんとも言えません。

原油安や中国不安が債券市場に不安を広げてしまったのは、

FOMCでの「利上げ決定」を前にしていろんな「思惑」が飛び交い、

各種の「危機シナリオ」を「警戒」する心理がその背景にあります。

逆に、「利上げは来年3月に延期か?」といった「思惑」も台頭し、

「緩和継続」を「期待」する心理が下げにストップをかけているのは、

先週末からの急落劇はすぐれて「心理戦」であることを示しています。

FOMCでの決定、そして、その後のイエレン議長らの発言を受けて、

おそらく市場全体に方向性が見えてくることと思われますので、

それまでは売りも買いも「丁半博打」の要素があると考えています。

前号メルマガにしっかり書いたことですが、

原油安も、中国不安も、米国利上げも、ギリシャ危機も、

それ自体が脅威なのではなく、それに続けて発生する、

それぞれの「危機シナリオ」が怖いわけです。

そして往々にして、実態よりも「シナリオ」に相場は振り回されます。

なんども繰り返して恐縮ですが、相場というのはすぐれて心理戦です。

先週は日本市場のMSQに絡んだ「思惑」と「駆け引き」で荒れましたが、

今週はNYがFOMC前の「思惑」と「駆け引き」でナーバスになっています。

それがわかった上で、この荒い値動きを達観して眺めることができるなら、

多少、自分の「思惑」とずれても大きな被害はないでしょうが、

この心理戦に引き込まれて「焦りと恐怖」にやられたら、

思わぬ致命傷を負いかねない相場状況であると考えています。

振り回されないよう、注意したいものです。

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