「心理戦」。
TPPが妥結。
米国も日本も他の参加国も、これからの国内承認プロセスが大変ですが、
とにもかくにもここまできました。
「TPPは経済成長につながらない」
「対中包囲網という安全保障上の意味しかない」
という人もいますが、少なくとも「株価にとって」はプラスです。
もちろん、TPPはただの「枠組み」、あるいは「競争の場」ですので、
それ自体が直接にもたらす経済成長はそんなにあるはずがありません。
焦点は、TPPという「枠組み」に対応すべく、
国内産業を再編し、域内の市場をぶんどってくるよう力をつけることで、
新しい「競争の場」に、どう「対応」するかという今後の努力にあります。
ぼやっとしていると淘汰され、尻の毛まで抜かれるかもしれませんが、
堅実に、クレバーに立ち向かえば、GDPを大いに伸ばすことも可能。
そういう「競争の場」がセットされたわけです。
無論、競争の過程というのは、かなりの淘汰がつきものですから、
「反対派」の人々が熾烈に抵抗される気持ちもよくわかります。
実際、勝ち組、負け組がくっきりと分かれることとなるでしょうが、
しかし、そういう「競争の場」がセットされたという事実を認識して、
私達、投資家も腹をくくって新時代に乗り出していくしかありません。
TPPによって何がどう変わるか、どんなチャンスがあるかは、
全てこれからの政府の国民の判断と努力にかかっていますが、
どんな政策(玉)や産業分野に今後の「可能性」があるかは、
次号メルマガ(第77号:10月11日発行)で見解を述べたいと思います。
5年後、10年後の「勝ち組銘柄」は今、考えるべきだからです。
さて。
目先の株価のことに戻ります。
海外要因の「不安」が、一時的に、かつ徐々に小康状態となった上に、
「TPP効果」もあって、日経平均はようやく18000円の値固めモード。
これから来る安倍政権側の「反攻」を待っています。
本来であれば、先週のうちにこの株価位置(18000円)での地歩を固め、
日銀の追加緩和や改造内閣の出す「玉」を待ち受けるはずでしたが、
先週は、日本政府の「油断」を衝いた海外勢の「奇襲攻撃」によって、
日経平均がいったん17000円ラインを大きく割って底抜けし、
市場をめぐるコンセンサスの再構成を迫られています。
したがって、政権側の「反攻」に「期待」する声も多い一方で、
市場全体に「不安」と「疑心暗鬼」の思いがまだ漂っています。
政権の「反攻」による爆発的な上昇を「期待」する一方で、
梯子を外されて奈落の底に落ちる「恐怖」も存在するというわけです。
今日の相場は、そうした微妙な「心理戦」の要素を反映すると思います。
そういえば、今日は「SQ週の火曜日」です。
SQ週の中日は「魔の水曜日」とされており、
オプション価格をめぐる思惑で意味もなく株価が乱高下しますが、
昨年あたりからヘッジファンドは火曜日に仕掛けることが多いです。
したがって、上にも下にもびっくりするような動きがあったとしても、
今日のところは、あまり動揺しないようにしたいものです。
やはり、大切なのは明日の「転機候補日」であると考えております。
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