【4月25日】 日銀と市場の神経戦 (朝の情勢分析)
おはようございます。
昨日の朝、「売りの準備へ」と書いたら、
お昼の「TPPがっかり報道」で売り仕掛け。
一時、14367.13円まで下落しました。
今だから書きますが、
本来であれば14500円で踏みとどまり、
14800円を目指す展開になるはずでした。
何度も書いているように、
日本の交渉チームは相当に頑張っていました。
そして、重要5品目は「それなりに」防衛できる目処は立ち、
後は首脳会談の席で華々しく発表するはずだったのです。
しかし、それすらおじゃんにするように、
安倍政権は「後ろから撃たれ」ました。
誰から?
与党内のTPP反対勢力です。
ある時期から、
箝口令が布かれたはずの交渉内容が、
どんどんリーク報道され、
これが米国側の態度を硬化させました。
官僚はまず情報を漏らすことをしませんし、
漏らすインセンティブも手段もありません。
こういうのはいつも、口の軽いセンセイが、
お気に入りの記者に色目を使って、
「ここだけの話なんだけどね」とやるわけです。
「対外交渉」は国民全体の利益がかかっていますから、
いったん代表団を送り出したからには精一杯やってもらうよう、
賛成派であれ、反対派であれ、
できる限り静かに見守るのが世界の常識です。
国内の権力争いから対外交渉を邪魔をするのは、
古今東西、「国賊」と呼ばれるわけですが、
自民党も、民主党も、
そういう基本的な知識のないセンセイだらけです。
ただ、おそらく安倍首相も首脳会談での発表は、
どこかの時点で見切りをつけていたように思えます。
一昨日述べたとおり、
今回のオバマ訪日のミッションは、
中国と北朝鮮それぞれの対処策について、
日米の役割分担を決め直し、
主攻方向をどっちに置くか決めるものです。
決定的ともいえるこの部分で、
ある程度の取引材料を保持しておくためにも、
TPPの妥結はワンテンポ置くという判断は
当然、あり得たのではないでしょうか。
ともあれこれで、日米両政府とも、
「国内産業を守るために全力を尽くしている」という
十分な政治的パフォーマンスをしましたので、
忘れたころにひょっこり「交渉成立」のニュースが出てくるでしょう。
「期待上げ」に「期待」した投資家は、ちょっとがっかりですが。
さて。
そんなわけで、「次の材料」は4月30日の日銀決定会合です。
昨日の売り仕掛けに追従する動きがなかったのも、
やはり「追加緩和」を警戒したもの。
黒田総裁や霞ヶ関にとって、
追加緩和がいかに難しいかは昨日書きましたが、
前回の件で「ゼロ回答」の政治的リスクは身に沁みているでしょうし、
「どうせ、やるならサプライズで」という戦略は捨てきれません。
4月30日が明けると本格的な連休突入ということもあり、
決定内容と会見内容が「がっかり」だった場合には、
相場が一方的に動き可能性もあることは注意しておきたいところ。
無論、「サプライズ追加緩和」には乗ったほうが得策でしょうが。
いずれにせよ、臨機応変に「対応」したいと思います。
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