【4月22日】 TPPの落としどころ (朝の情勢分析)
おはようございます。
「TPP亡国論」みたいなものは、米国でも言う人がおり、
米国政府も手を焼いています。
就任以来、オバマ大統領の行動原理は、
「中東より中国を警戒する」ことで一貫しており、
その材料としてTPPを重要視しているのですが、
かといって中間選挙で大敗すると残りの任期を、
「史上最も弱い大統領」として過ごさねばならないため、
安易な譲歩もできないという事情があります。
せっぱつまっているのは米国のほうです。
TPP交渉では、一部マスコミや自称専門家が言っていたように、
なんでもかんでも日本が弱者で、
日本の国益が全部、米国に吸い取られるようなことはなく、
むしろ、日本勢の強力な交渉に米国が押されている部分もあります。
交渉が長引いているのは多分に政治的パフォーマンスの側面がありますが、
日米政府ともに「これだけの産品を保護した」と言いたいがために、
TPPの趣旨とはまるで反対の方向の努力をしているのは皮肉なものです。
つまり内容的にはかなり骨抜き。
それゆえ、オバマ大統領も、安倍首相も、
対外的には「自由貿易交渉が妥結しました」といって政治的得点を稼ぎ、
対内的には「保護貿易交渉に勝利しました」といってパフォーマンスをするという、
矛盾した結果を引き出すために長い長い交渉を行っているわけです。
無論、国益に絡む現在進行形の外交交渉の足を引っ張るわけにはいきませんので、
これ以上は書きませんが、TPPの落としどころはそんなところです。
オバマ来日にともなうある種の高揚感のようなもので、
一時的に株価が上昇する局面があったにせよ、
TPPの内容そのもので日米の経済を根本から変革させ、
長く着実な成長が達成するかどうかは疑問があります。
昨日の日経平均はいろいろな「期待」で、
14649.50円まで上げたものの、
欧米市場が休日で相場全体に盛り上がりがなく、
後場には利食いに押されて結局は小幅安。
ただ、14500円は固くキープしたので、
もう一度、上値をトライする局面があるとは思いますが、
TPPというより、やはり「追加緩和期待」が材料となりそうです。
今週、ひとつ、ふたつ、材料が出れば14800円には到達するはずですが、
いずれにしてもちょっと強い「追い風」待ちですね。
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