この4月、与野党ともに内部が「激動」しています。

秋口から年末にかけての日経平均が、

16000円を超えるか、13000円を割るかくらいの違いをもたらす、

ものすごい「攻防」が、毎週々々、めまぐるしく攻守をかえて行われています。

すでにリアルタイムでお伝えしているとおり、

与党内では、安倍首相シンパとアンチ安倍勢力が、

それぞれ、「倒閣」と「解散」をちらつかせて駆け引きを演じています。

そのあおりを受けて、

6月の成長戦略も、オバマ訪日にあわせたTPP成立もみんな骨抜きになり、

これが4月の株価動向にダイレクトに影響してきたことも、

このブログの読者の皆様はその目でご確認いただいたことと思いますが、

残念ながら多くの経済記事の分析は甘く、常に後手に回ってますし、

そういう情報を元に「予測」するセンセイ方は、

だいぶトンチンカンなことを言っておられるようです。

まあ、だからこそ、私がこのブログの運営をしているわけですが。

さて。

オバマ来日報道に隠れてますが、今週、非常に重要な動きがありました。

維新と結いの合流協議加速です。

今日発足した参議院での統一会派は、

党議拘束もない、ただの「数合わせ」ではありますが、

一連の動きでポイントとなるのは、

プライドの高い江田代表(結い)が、

石原共同代表(維新)に頭を下げたこと。

原理主義で融通がきかないと思われてた江田氏が

合流に向けて本気の姿勢をみせたことは、

政界に静かな衝撃を与えています。

党首の首をすげかえたみんなの党も、

合流に同調する可能性が出てきています。

(浅生新代表の超「寝技」についてはまたいつか)

民主党からこぼれそうな人々にも、

参加を打診する動きがあるともされ、

夏から秋にかけてできる「新党」は、

衆院で100人規模になる可能性があるといいます。

これはちょうど、

2009年に政権交代をやった民主党の解散前勢力に匹敵し、

小選挙区制では「風次第」で過半数がとれる可能性があるのです。

これが、与党内の「内部抗争」に影響を与えそうです。

自民・公明両党とも、

小泉フィーバーで300議席を制して有頂天になっていたら、

次の選挙で真逆に風が吹いて300議席を取り返されたという、

悪夢の記憶が染みついています。

ですから、

・不人気な党首をかついで選挙はできない

・不利な争点で選挙はできない

という防衛本能から、

ふたたび安倍総裁の求心力が高まる可能性があります。

(逆に、安倍さんに失点があればすぐ切られるでしょう)

これが、当面、安倍総裁を利する方向に働くとみられています。

もちろん、石原、平沼、片山、橋下、松野、江田、浅生といった、

根本的な憲法観も安全保障政策もばらばらぐちゃぐちゃな人々が、

一丸となっての政権奪取は到底無理とみられていますが、

この人々は、「中央政府から地方政府へ」という旗印では合意してます。

すなわち「小さな政府」です。

そして、(中央政府の)経済政策として、

・「増税して歳出増」より「減税して歳出減」

・「政府の指導による統制経済」より「規制緩和」

といったことを掲げてくるでしょう。

安倍政権が見送りつつある

「法人実効減税」や「雇用規制流動化」もこれに入ります。

年央あたりにアベノミクスが失速してくれば、

その代替案として、この「小さな政府・経済政策パッケージ」に

ふたたび脚光が当たり始めるはずです。

ですが、お気づきのようにこれらは安倍総理がもともとやりたかったもの。

与党内の抵抗によってできなかったという経緯があります。

安倍総裁にとって「追い風」となるのは、

・不利な争点で選挙はできない

という自民党内の「防衛本能」を利用して、

選挙の「争点つぶし」のために、

この「小さな政府・経済政策パッケージ」を、

先回りして政権側が取り込むことが可能になるのです。

昔から自民党は、何事にも選挙対策優先で、

基本政策などあってなきがごときDNAがあり、

野党が国民受けする政策を掲げるときは、

すかさずそれを「パクっ」て自党の公約にするクセがあります。

さる大物自民幹事長が、その昔、

「公約は膏薬。貼り替えるほど効き目が出る」

と言い放った話は有名です。

もし、「小さな政府・経済政策パッケージ」の野党に人気が出そうなら、

躊躇せずにそれを「パク」るでしょう。

もちろん、維新、結い、みんな等の「野党再編」は、

現時点では限りなく不透明です。

なんといっても船頭が多すぎますし、

しかも、船頭同士の仲が悪すぎます。

また、官僚組織は有能ですので、

新党が不都合な政策を掲げそうなら、

硬軟取り混ぜた、有形無形の方法で頓挫させるべく動くでしょう。

しかし、「こういう動きがある」という事実が大切なのです。

何であれ、政界は「思惑」や「予測」で動き始めますし、

相場の世界は「シナリオ」を材料としていろいろと仕掛けてきます。

(「噂で買って、事実で売る」ような仕掛けは、「シナリオ」を材料とします)

「小さな政府・経済政策パッケージ」が完全に消えていないということは、

今年6月、10月、12月の相場展開に少なからぬ影響を与えることを、

一応は頭に入れておきたいところです。

※お知らせ

今週には募集を始める予定でいましたメールマガジンは、

諸般の都合で遅れております。

お待たせしている方々にはお詫びを申し上げます。

募集開始準備が整い次第、ご案内いたしますので、

もうしばらくお待ちください。

(本当の勝負はもう少し先ですのでご心配なく)

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※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、市場では常に「想定外」の事柄が発生する以上、その正確性を保証するものではありません。さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードなさり、損失を出されることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。

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