為替が動いた
昨夜の米国GDP速報とFOMCを受けて、ドル円が動き出しました。
一時、103円台に突入し、日経225のナイトセッションは一気に15700円台に乗せました。
今年前半に上げ続けた米国やドイツなどの市場から、
今年前半下げっぱなしだった日本や新興国に投資資金が向かう動きも出ており、
明日の米国雇用統計の内容次第で、ここが大きな潮目の転換となりそうです。
昨日の日経平均も、朝からかなり上げてきました。
5月機械受注速報値が想定外に悪く、一瞬だけがーんと下げましたが、すぐに15600円を回復。
終日にわたって15600円を割ることもなく、連日の陽線で引けました。
あとは出来高です。
売買代金は1兆8179億円と、もう少しで2兆円に届きそうですから、
やはり、米国雇用統計の内容次第で、「サマーラリー」が来る可能性はあります。
楽しみですね。
思えば、ずいぶん無理と努力をしてここまで株価を上げてきたものです。
5月後半から1500円以上上昇した日経平均ですが、
その背景には、強力な政策要因、すなわち「政府の『玉』」があります。
この2か月、「官製相場」と揶揄されてきましたが、
私の分析するところでは、3段階にわたる波状作戦の「玉」出しが功を奏してきました。
まず、「玉」の第1弾は法人実効減税を中心とする成長戦略。
14000円レベルから14800円レベルへの上昇の中心はこれでした。
第2弾は年金買いによるPKOです。
14800円レベルから15000円を固め、15500円直前まで押し上げました。
いずれも、私のメルマガの読者の方々はよくご存じのとおりでしょう。
とりわけ、5月初旬のメルマガのスタート時から
「5月後半から政府の玉が出てくる」
「麻生財相留任で法人減税は決まり」
と、ピタリと正確な重要情報をご提供しましたので、
当時、市場を覆っていた「14000円割れ」の悲観ムードにのって売りを入れ、
大損をするようなことは避けられたのではないでしょうか。
いずれにせよ、5月23日を境に日経平均が上昇に転じたきっかけは、
麻生財相による「法人減税容認発言」という、政府としては特大級の「玉」でしたが、
おそらくは政策当局者が想定する以上に、日経平均全体がうまく押し上げられ、
世界的にも珍しい「官製相場」が演出されてきました。(これでは、まるで中国経済です)
そして、今週の「15500円」突破を演出したのは、久々の投機筋による先物買いですが、
この第3弾の上昇の背景にもやはり、「ある政策」の噂があります。
それがどんな「玉」かの具体的な内容は、前号のメルマガ(第15号:7月27日発行)で書いた通りですが、
永田町や霞ヶ関を歩くと、夏の暑さと「政策期待」で真っ赤に上気した集団を数多く見ます。
「この秋からすごいことになる」
「●兆円が投入されるらしい」と、まことしやかに噂されていますが、
私が気にしているのは、財務省周辺から聞いている規模感と、噂されている金額に、
大きな開きが出てきていることです。
昨年の秋もこんなことがありました。
総務省や国交省を経由し、自民党議員によって拡散されていた噂は、
「消費税対策がかなりある。補正も10兆円くらいを組む」というものでした。
しかし、実際は財務省が財布のひもをしっかり締めて、5兆円しか補正予算に回さなかった上に、
噂されていた軽減税率などの消費増税対策は、まるでなされなかったのです。
「想定外の緊縮予算」という「ネガティブ・サプライズ」が年末にはっきりするにつれ、
相場の空気は一気に冷めてしまい、新興国(BIITS)危機なども相まって、
日本市場は世界で最も過激に下げた市場のひとつとなってしまいました。
その意味で、昨年秋から年初にかけては、「噂で買って、事実で売る」の典型的な相場であったといえます。
この秋に出てくる「玉」についても、「噂で買って…」になることを、私は危惧しています。
そもそも、今回、5月後半からの3段階にわたる上昇に、私は最初から全く乗る気がしてません。
上昇の根拠となる「事実」がないからです。
新聞や雑誌には、「実感なき株高」という見出しが躍っていますが、
消費増税の「反動減」からの回復を、まだ誰も確認していないのです。
それどころか、7月10日発表の5月機械受注統計は過去最大19.5%の減少。
7月30日発表の6月鉱工業生産指数速報は、市場予測の3倍にあたる前月比3.3%マイナス。
いずれも衝撃的な数値でしたし、
これまでに出てきた株価と雇用以外の全ての数値が、想定以上に悪いのです。
(この内容は、次回のメルマガで詳述します)
実体経済の上昇がないのに、政策「期待」や株価「操作」で無理矢理上げても、
それは結局のところ砂上の楼閣となる可能性があります。
個人投資家にはノルマなどありませんから、怪しいと思ったら「乗らない」のが一番です。
そして、一定以上に上昇をすれば、必ず失速と調整のタイミングが来ますから、
そこで「安心、安全、堅実」に稼いだほうが、精神的にも資金的にも余裕ができます。
ちょうどいいところに、来週、以前から注目している「8月第2週」が来ます。
明日の米国雇用統計次第ですが、相場がここまで上げてくると、いい感じのチャンスになりそうです。
また、8月第2週を通過して後、8月相場が本格的なサマーラリーとなり、
想定外の大上げになったとすれば、いよいよ本格的なチャンス到来です。
政局を睨みつつ、企業決算、臨時国会の法案、補正・本予算などの材料をよく分析し、
秋以降のどのあたりで天井が来るかを判断したいと思います。
皆様に「安心、安全、堅実」に儲けていただくために、
その都度、その都度、私が最適と考えるエントリー戦略をご紹介致します。
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