連休の間に、何かが動く。
(午前0時の更新です)
日経平均はイベントを前に膠着。
現時点で米国FRBがどう動くがわかりませんが、
NYダウは様子見を続けるなか、原油も金も上昇気味です。
アベノミクスもその典型のひとつですが、
米国をはじめ世界中が「政策相場」ですので、
当局の動きが決定的に相場を左右します。
さて。黒田総裁はどう動くのでしょうか。
もっとも、ひとつ肝に銘じておきたいのは、
以前、日銀がサプライズでマイナス金利を導入した際、
その情報がわずかに早くメディアに出たために、
国会で野党側が執拗な責任追及をし、
日銀としても調査と再発防止を余儀なくされたことです。
マイナス金利導入時の決定会合は紛糾してしまい、
政府側が判断の留保を求めて一時席を立つなど、
物々しい雰囲気だったことが伝わっていますので、
おそらく、それで記者に何か気づかれたのだろうとされますが、
いずれにせよ、中銀の決定が事前に漏れるというのは、
国家の金融行政の根幹を毀損する大問題、大不祥事です。
先週末、日経平均が引けピンで終わった際の材料は、
「金融機関への貸出分にもマイナス金利適用」という、
いわば日銀内部からの「リーク情報」でしたが、
この通りやれば日銀は情報漏れの責任を問われます。
本当にこれをやれるのでしょうか?
かといって、「日銀動かず」では、
連休を前に、市場の失望を招きかねませんし、
次の決定会合は6月で参院選の直前ですので、
今回、何か別のサプライズを打つ可能性は無論あります。
いずれにせよ、日銀はそうした「心理戦」を戦っていますので、
個人投資家の私達もそのつもりで駆け引きを注視し、
振り回されないように注意したいものです。
ところで。
「衆参ダブルはない」
という「官邸筋」の情報が左右各紙の一面に掲載され、
「熊本・大分復興の補正を組み、消費増税は予定通り」
と総理本人が大見栄を切っています。
しかし、こうした発言を額面通り受け取る人はいません。
特に、解散についての話はセンシティブです。
それでなくても、例年、5月の連休や8月のお盆前後という、
国会がお休みとなる時期は水面下で何かが激しく動くものです。
今国会は、重要案件がほぼ終局に向かいつつあるというのに、
この連休はど真ん中の5月2日に国会の本会議が開かれるという、
異例中の異例の日程が組まれて永田町界隈を驚かせています。
何をそんなに急いでいるのでしょうか。
日本には2人だけ、「ウソをついてもよい」とされる人がいます。
一人は日銀総裁で、金融政策(公定歩合)に関すること。
もう一人は内閣総理大臣で、解散をするかしないかの話です。
各党とも、「もし衆院選があったら」という前提で、
独自の調査機関を駆使して世論調査に余念がありません。
特に、先日の北海道補選の票を詳しく分析することで、
与党の「真の実力」と、野党連合の「可能性」を類推し、
全国的な票の出方を冷静に分析しているところです。
ただ、野党側の「自滅」にも助けられ、
なんとか北海道補選をとったのはいいものの、
辛勝ぶりに自公側がショックを受けているのも事実です。
そして、このままでは、この夏よりは年末、
今年よりは来年と、状況はますます悪くなりかねず、
解散の時期を間違えば、総理の「本懐」が怪しくなります。
いずれにせよ、2018年までに解散する必要がありますが、
解散をするのであれば、強力な「次の一手」によって、
何らかの株価対策をする必要があり、
もし、この夏の解散なら、この5月がタイムリミットです。
解散を仕掛けることができるのは総理だけですので、
この連休を、各種の情勢判断をもとに、
「次の一手」を練り上げることに使うとみられます。
連休の間、何かが動くという話をいくつか聞いていますので、
私も次号メルマガ(第106号:5月1日発行)を発行する次第です。
皆様、どうぞよい連休をお過ごしください。
ただし、心のどこかに緊張感をお忘れなく。
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