安倍政権の反撃。
(午前0時半の更新です)
昨日の日経平均は大きく反発。
大暴落を起こした売りが一巡した後、
利確のために一時的に買われて、
大きく反発するのはよくある話です。
なにしろ今月2日の史上最高値から、
2000円近くも一気に下げた後です。
とりあえず「下限」あたりまで戻して、
様子を見る、といったところでしょうか。
米国市場もほぼ同様の事情で大きく反発し、
これも日経平均への追い風となりそうです。
ただ、これで不安が去ったわけではありません。
東証の売買代金が膨らんでくるまで、
市場の警戒が解消されたとはいえず、
常に戻り売りの恐怖に晒されます。
米国の長期金利が上昇を続けている上、
二国間協議で「為替条項」が議論されるなら、
今後、円安に向かう可能性は低くなります。
米中の全面的な緊張に緩和の道筋は見えず、
欧州の政局も混迷の色を濃くするなかで、
中東の「地政学リスク」も材料視されます。
このように世界的な「連鎖・複合」危機のなか、
次の波乱が強く警戒されている状況では、
日経平均が高値を追うのは困難です。
ただし。
いつまでも上がり続ける相場がないように、
いつまでも一方的に下げ続けるかというと、
そういうわけでもないことが多いものです。
あまりにも株価が下ブレし過ぎた状況で、
良い「玉」がひとつふたつ出てくると、
想定外の反発を演じかねませんので、
売り方もそろそろ慎重になる頃ではあります。
実際、安倍政権も反撃に全力を尽くしており、
株高維持の姿勢がようやくみえてきました。
なにしろ手をこまねいているうちに、
「退陣」にまで至りかねない状況です。
特に中国関連の「外交戦」の成果には、
それなりのものが「期待」されており、
日本企業に追い風をもたらす可能性が、
日経平均を下支えしているところです。
前号メルマガ(第234号:10月14日)で指摘した通り、
対中関係の改善で「米国リスク」は増しますが、
中国市場の知財面の信頼性が増せば、
日本経済には大きなフロンティアが開きます。
困難ではあっても米中両国との間合いを見極め、
両国首脳との関係を上手にマネージするのは、
「外交の安倍」の腕の見せ所といえます。
また、消費増税の悪影響を相殺する「玉」や、
増税の再々延期を示唆するような話までして、
与党の側も株価の維持に必死になっています。
下げも政治主導なら、上げも政治主導です。
小さな材料が過剰なくらい材料視され、
上下に想定外の動きをし易い時期ですので、
次号メルマガ(第235号:10月21日)のなかで、
こうした「玉」の最新の状況をご紹介し、
最悪の事態が回避される可能性を分析します。
政治も相場も「生き物」です。
刻一刻と事態は動き、流動していますので、
いずれにせよ鋭敏なアンテナが求められます。
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