(午前0時45分の更新です)

米中ロ日の関係国が最高度の警戒態勢をとっており、

半島情勢は連休前と変わらず緊迫していますが、

前号メルマガ(第159号:5月7日)に書いた通り、

米中日ロそれぞれの兵力展開の様子を見る限り、

即時の軍事行動があるとは考えづらい状況です。

米国から「対話」の呼びかけをみてもわかるように、

北朝鮮側から暴発でもしない限り、

やはり、本当のヤマ場はまだ先になりそうです。

現時点では、双方が軍事的に威嚇をし合う段階から、

「落とし所」を模索する段階に差し掛かっていますが、

米朝双方の要求は「解けないパズル」ですし、

まもなく新しい政権が誕生する韓国を加えた上で、

関係国がそれぞれの利害を調整するというのであれば、

問題はどうしても複雑化、大型化してしまい、

長期化の様相を呈してくると考えるのが自然です。

そうなると市場で煽られていた「危機」のムードは、

だいぶ弛緩し、中休みの状況になりますから、

連休前の下げ圧力はだいぶ緩和されています。

北朝鮮をめぐる軍事的な緊張は相変わらずとはいえ、

相場の空気は連休前とはだいぶ違ってきています。

それにしても。

この連休中、とても多くのことが、

あまりにもダイナミックな形で発生しました。

トランプ政権もなんとかひとつ「勝利」を挙げ、

米国市場には再び上昇圧力がかかっています。

依然としてトランプ政権の先行きは不透明ですが、

前政権からの遺産もあって米国経済は強すぎるほど強く、

本来なら「引き締め」をすべき経済状況であることは、

昨年から何度も指摘をしてきたところです。

いずれにせよ米国市場の好調ぶりは、

日本市場にとっても円安、株高要因となっており、

日経平均にとっても有り難い「追い風」です。

そして。

前号メルマガでもかなり詳しく書いた通り、

こうした中で安倍総理は決定的な「逆転打」を放ち、

国内政治のステージを一挙に変えようとしています。

今回の「北朝鮮クライシス」というのは、

戦後最大級の「国難」のひとつではありますが、

そうした「国難」に受動的に流されるのではなく、

逆境を逆手にとって攻めの姿勢を転じるあたりが、

安倍政権の真骨頂ともいえるでしょう。

連休明けの今日から国会は「終盤」に入りますが、

連休前に議論の的になっていたようなことは、

なんだか遠い昔の話になってしまった感すらあります。

ともあれ、いよいよ安倍総理が「勝負」に出たことで、

与党内、与党間、そして野党側でどんな力学が働くか、

私としても国会の終盤の模様をよく見極め、

今後の相場分析に反映させていきたいと思います。

安倍政権下では特に顕著なことですが、

「政治と経済」、「政治と市場」、「政治と相場」は、

極めて密接に連動していますから、

安倍政権が難局を打開し、本懐を遂げるなら、

日経平均の今後のシナリオもまた変化しそうです。

2020年まであと3年。

安倍政権のドラマがいよいよ最終章に向けて、

新しいスタートを切ったことが、

この5月に発生した大きな転機のひとつだったと、

後世、語られる日が来るのかもしれません。

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