安倍政権の「幸運」。
統一地方選(前半)は与党系候補が好調。
首長戦で「弱い」とされていた安倍政権ですから、10道県知事選での勝利は光ります。
また、昨年末の時点で「大阪維新が消滅する」との予想すらあった大阪府議会選挙で、
橋下氏らが目標とした過半数はならずとも第1党の地位はなんとか確保することができ、
「大阪都構想」実現へと期待をつなぐ結果となりました。
総じて「官邸の勝利」のまま、統一地方選は後半戦へと突入します。
これまでのところ、官邸の狙いがぴたりとはまっています。
長らく、景気のいい話に飢えていた日本国民です。
たとえそれが「禁じ手」である「円高誘導」と「株価操縦」の結果であったとしても、
久々にみる「株価上昇」というインパクトが政権支持率を底支えしています。
数年前、外国の超一流機関、超一流校で研究する若き日本人たちとの会合で、
「なぜ、日本を離れたのか?」と質問してみたら、20代前半の彼らは揃って、
「僕たちは生まれてずっと、日本はダメになると聞いて育ちました。
日本には明るい未来はないと言われ続けてたので、海外をめざしました」
としみじみと述懐するように言っていました。
暗く、重苦しい時代が、20年も続いてきたのです。
そこまで日本をダメにした大部分は、歴代の自民党政権に責任があるのですが、
私が若手研究者らと話した頃は、民主党政権が日本にとどめを刺そうとしており、
国の内外を問わず、「日本には明るい未来はない」と誰もが思っていたものです。
そこに登場したのが安倍政権です。
嘘でも、インチキでも、とにかく久しぶりに聞いた「大ぼら吹き」です。
ことに若い世代にとっては生まれて初めて聞く「明るい話題」ですから、
たとえどんな「禁じ手」を使っていようと、
ひとまず「やれるところまでやってもらおうじゃないの」となります。
おそらく、大阪維新の橋下氏へ、大阪府民、市民が期待するのもまた、
似たように「やれるところまでやってもらおうじゃないの」なのでしょう。
その意味で、第2次安倍政権の登場は「時期が良かった」のです。
まことにもって、「ついている」安倍政権ですが、
もうひとつの「幸運」は、稀にみる外部環境の好環境にもあります。
第2次安倍政権の登場は、米国の「大緩和政策」が大成功をおさめる中であり、
米国、中国、欧州までもが揃って「大緩和政策」に舵を切るなかで、
「アベノミクス」を打ち出せたというのは、史上稀なる幸運でした。
相乗効果がぴたりとはまって、見事に「資産インフレ」が発生したのです。
過去に同じような「幸運」があったといえば、
第1次大戦中の「大戦特需」か、戦後復興の起爆剤となった「朝鮮特需」か。
それが庶民の暮らしを潤すかどうかは別問題ですが、少なくとも株価に関しては、
私たちは今、歴史上滅多にない「幸運」な時代にいるのです。
先週、日経平均が2万円に到達したのもまた、「幸運」の手助けがありました。
米国雇用統計が「予想外」に下ブレをし、市場全体に「予想外」の動揺が走り、
まったくもって「予想外」の「利上げ先送り観測」が台頭したおかげで、
軟調であったNY株が一気に息を吹き返し18000ドルを回復。
この、外部からの「予想外」の追い風を受けて、
軟調であった日経平均もレンジをブレークして2万円に到達したのです。
まことにもって「幸運」でしたし、安倍政権は「ついている」といえます。
さて。
こうした「幸運」の発生に賭けるという投資家も当然おられるでしょうし、
「幸運」など無視して「あるべき株価位置」で判断する方もおられるでしょう。
(無論、私は後者のほうです)
しかし、いずれの投資スタイルにとっても無視できない要素は、
「この幸運はいつまで続くのか」ということ。
近々、「転機」となりそうな日程については、
前号メルマガ(第51号:4月12日発行)に詳しく書きましたので、
興味のある方はそちらをご参照いただくとして、
すべての投資家が頭に入れておかねばならないのは、
「政界は一寸先が闇」「相場は生き物」ということです。
「●●だから、●●になるはず」といった思惑や期待にのって投資していると、
最初の2回、3回は良くても、4回目、5回目で目論見が外れ、
そこで熱くなったり、青くなったり、焦ったりして自分を失った結果、
あれよあれよというまに市場から退場するハメに陥るのはよくあることです。
政治も相場も、「巨大なパワー同士の駆け引き、騙し合い、出し抜き合い」です。
はじめから、「思った通りにはならない」ことを肝に銘じて、
それでも、生き残り、勝ち抜く仕掛けを二重、三重にめぐらすことが大切です。
株価が異常な高値に張り付いてしまい、非常に難しい相場になっていますが、
前号メルマガでは私のシナリオ・戦略をたっぷり書きましたのでご参照ください。
そこには、私が考える「上値メド」と、2万円達成後の展望も書いています。
無論、「思った通りにはならない」という前提のもとですが…。
いずれにせよ、皆様の「幸運」をお祈り申し上げます。
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