「出口戦略」、日銀に「秘策」あり?
(午前0時の更新です)
日経平均は大幅続伸。
一時は前日比400円超の上昇となりました。
米国の高官達が「火消し」に回っていることで、
米中両国が「交渉」に入るという観測が広がり、
市場に買い戻しの動きが広がりました。
強烈に売り込まれた後だけに、
買いが入った際の戻りも速いです。
これでもまだ「株価位置」として低すぎますから、
内外が波静かならもう少し上昇してしかるべきですが、
内外ともなかなか視界良好とは言い難く、
むしろ次の大波が警戒されている状況です。
海外ではかなり警戒感が後退したのは確かですが、
「貿易戦争」については本当に米中が抑制的な形で、
対話に至るか、協議がまとまるかは不透明ですし、
「地政学リスク」も依然として不透明さがあり、
特に米朝首脳会談はまだその実現も疑問視され、
こうしたことが市場の「重石」となっています。
米国の雇用統計も気がかりですが、
経済指標よりも指導者の政治的な決断ひとつで、
上にも下にも大波乱になりかねないのが、
今の国際情勢の怖さであるといえます。
しかし、より深刻なのは国内政局のほうです。
先週初めまでの大騒動から一転し、
嘘のように波静かになった国会でしたが、
ここ数日、次々と突発的に発生する新材料のために、
また、にっちもさっちもいかない立ち往生です。
相変わらず野党はバラバラで攻め方もイマイチですが、
それでも国会をストップせざるを得ないほど、
ここ数日に飛び出した材料は衝撃的だったといえます。
GW連休まで続くはずの「ほぼ無風状態」の中で、
「反転攻勢」を模索しようとした政権側の思惑は、
一昨日のスクープ等で吹き飛んでしまった格好であり、
「存続シナリオ」を台無しにする恐れも浮上してます。
無論、真に注目すべきは国会での与野党の攻防ではなく、
与党内、そして、霞ヶ関内部の「権力闘争」に、
話の焦点が移りつつあることです。
野党がバラバラに国会でわあわあ言っているだけなら、
いかようにもあしらうことは可能ですが、
この国の頂点をめぐる「権力闘争」になったら、
政権側が無傷で生き残る可能性は低くなります。
重大な方向に潮目が変わりかねませんので、
次号メルマガ(第207号:4月8日)で分析します。
さて。
目前で内外のいろいろな懸案が火を吹いていますが、
他のどの問題と比べても重要な案件が今このも瞬間に、
日銀の足下で燻り続けています。
「出口戦略」をどうするかです。
安倍総理が政権の存続と延命に成功しても、
あるいは他の人に政権を譲る展開になっても、
日銀の「出口戦略」の懸念はついて回ります。
政府・日銀の「中の人」のなかで、
この問題を楽観視する人を知りませんが、
安倍政権下で推進された異次元緩和によって、
近い将来に破裂しかねない大きなリスクが、
蓄積されてしまったのは間違いありません。
では、その「出口戦略」をどうするのかについて、
このところ驚くべきようなアイデアが、
密かに検討されつつあると囁かれています。
そのアイデアが真の意味で「秘策」にあたり、
日本経済の救世主となるなら結構ですが、
世界史上に極めて稀な金融政策でもあるため、
いまだ誰にも検証などできていないこともあり、
むしろ大破綻のトリガーとなる恐れも否定できません。
次号メルマガ(第207号:4月8日)ではそれらも踏まえ、
やや中期的な見通しも含めて分析する予定です。
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