安倍政権の「突然死」は回避。4月に空気は変わるのか。
昨日の日経平均は大幅高。
米中が「貿易戦争」について協議の可能性があること、
北朝鮮が戦争回避の努力をしていること、
また、為替が「円安」に振れていることなど、
久々に海外要因で良い材料が出た上に、
国内では安倍政権が「突然死」を回避したことなどで、
先週からの大暴落分をほぼ回復して引けました。
公的資金の防衛出動の噂も根強いですが、
ここ数週間、猛烈な売り越しが続いていたぶん、
リバウンドの際の買い戻しの勢いも強烈です。
一昨日、2万円ラインを堅持した上で、
昨日、早くも2万1千円ラインを回復したのは、
まだ再上昇の「期待」が消えていないことを示します。
昨夜はまた米国市場が軟調となっており、
またまた荒い値動きとなりそうな雰囲気のなか、
日経平均が2万1千円ラインを維持できるかが、
今日以降しばらくの焦点となりそうですが、
「底」が完全に割れてしまった上で、
パニック的に一直線に下げていくような局面は、
やはり遠ざかったと考えられるところです。
ともあれ。
政権はようやくひと息つけるかもしれません。
佐川氏の証人喚問の中身は完全に予想通りでしたし、
野党側の「玉」はほとんど不発に終わりました。
野党側が籠池氏との接見で得た「玉」を、
ほとんど切ってこなかったのは少し不気味ですが、
政権側がほっと一息をついたのは、
佐川氏本人も「疑惑解明は遠い」と認めたにもかかわらず、
国会で今日以降の審議日程がなんとか入りそうなことです。
特に参議院が今日、明日と正常に審議すれば、
懸案の「日切れ(予算関連)法案」を成立させ、
野党側から日程闘争のカードを奪うことができます。
当面、「証人喚問のドミノ」を退けることができれば、
4月中旬にはまた空気が変わってくるかもしれず、
政権は徐々に「反転攻勢」に移るかもしれません。
こうした国会の攻防の様子は、
日経平均の値動きにもダイレクトにあらわれています。
無論、内閣は今後も苦しい政権運営を強いられますし、
日本そのものが失った信用も大きいものがあり、
かつてのような株高局面はもう難しいでしょうが、
当面、「突然死」による「底」割れは回避できました。
前号メルマガ(第205号:3月25日)にも書いた通り、
今後、得意とする外交での「反転攻勢」に成功すれば、
ある程度の株価水準に回復することは可能です。
もっとも、ここから先もずっと「茨の道」です。
「得意の外交」といはいえ貴重な外交資源が、
政権の手からかなり失われてしまっています。
勝負をかけた外交案件で失策を重ねるようなら、
「神風」どころかさらに支持率を下げて、
秋の総裁選への不出馬も確定となりかねません。
また、「森友事件」は解決したというよりも、
昨日の証人喚問でむしろ不明点が際立ちました。
今週末あたりに次の「爆弾」が飛び出て、
「次の証人喚問」の要求を高めるという噂もありますが、
佐川氏ひとりで泥をかぶる覚悟はよいとして、
世論が本当にこれで納得し、許すものかどうか。
なかなかメディアスクラムがやむ気配がありませんが、
「政治の責任」を問う声が根強く拡がっている以上、
どこかで適切な「禊」をやっておかなことには、
安倍政権のイメージに相当な重石となって残りかねず、
これが「与党内」の情勢を流動化させかねません。
さりとて「禊」のやり方を誤るようであれば、
世論がさらに反発を強めるだけでなく、
「与党内」の地殻変動を招きかねないだけに、
政権にとっては「茨の道」を余儀なくされつつ、
「存続シナリオ」を模索する展開が続きそうです。
こうした内政・外交の事情を踏まえつつ、
「粘り腰」で存続をはかる安倍政権の次の一手が、
新年度である4月以降の株価形成にどう影響を与えるか、
次号メルマガ(第206号:4月1日)で分析する予定です。
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