(午前5時半の更新です)

新年明けましておめでとうございます。

「戌笑う」とされる戌年、2018年の幕開けです。

確かに景気拡大を予想させるような、

良い材料が揃っている年明けといえます。

当面は米国の「高圧経済」が牽引する形で、

世界経済は上昇基調にありますし、

日本国内は「勝負の年」を迎えた安倍政権が、

幾多の「玉」を繰り出す準備をしています。

昨年の秋から年末にかけて、

「瓢箪から駒」のように相場環境が揃ったおかげで、

日経平均の「上値余地」はかなりあります。

海外で「グローバル・リスク」が破裂したり、

安倍政権の足元で政治リスクが再燃したりしなければ、

今年は戌が大笑いしてもおかしくはありません。

もっとも、そうしたリスクが破裂することが、

決して否定できないから厄介なのですが・・・。

さて。

年末年始の間にも情勢はどんどん動きました。

主に海外の地政学リスクについて、

緊張を促進する材料と緩和させる材料が、

それこそ「日替わり」で飛び込んできました。

ひやりとしたのはイランの大規模デモです。

中東を制覇する勢いで勢力を伸ばしてきたイランは、

サウジやイスラエルと「一触即発」の状態であり、

この緊張状態が米軍の戦力をだいぶ拘束してきたため、

昨年の米国は北朝鮮に集中できないでいました。

しかし、イランの反政府運動が過激化して、

対外膨張戦略をとれない状況が現出すれば、

中東の緊張は若干、低下して、

その分、米軍には戦力に余裕が出ます。

昨年は中東・欧州と東アジアの緊張が、

まるでシーソーゲームのように相互に影響し、

ギリギリのところで戦争を防いできましたが、

この微妙なバランスが崩れるようであれば、

地政学リスクはどう転ぶかわかりません。

そもそも昨年末に北朝鮮のリスクが低下したのは、

米国の「エルサレム首都認定」によって、

中東情勢が流動化する懸念が持ち上がったことです。

その中東を放っといてもよいとなれば、

米軍がどう動くかわからないところがあります。

実際、米軍は北朝鮮攻撃を覚悟しているとされ、

「1月5日開戦説」や「1月9日開戦説」など、

年明けから緊張を強いるような説が、

日本でもかなり流布されているところです。

為替は少し円高傾向で金価格も上昇しており、

「波乱の年明けか」と身構えさせられました。

しかし。

そうした危険を察知したためもあってか、

北朝鮮側が「対話」へと舵を切りました。

もっとも「対話」といっても相手は韓国であり、

冬季五輪をダシにしての「南北対話」ですが、

少なくとも同盟国である韓国の外交交渉の最中に、

米国が有無を言わさず一方的に攻撃をするとは、

やはり考えづらいところではあります。

これによる「一時的な緊張緩和」によって、

ひとまず「波乱の年明け」はないかと思われます。

米国市場の強烈な値上がりの「追い風」もあり、

大発会の日経平均は昨年末の停滞を破って、

23000円を超える上昇で始まりそうな雰囲気です。

無論、地政学リスクが解消されたわけでは、

まったくないのは言うまでもないことです。

冬季五輪をダシにした「一時的な緊張緩和」など、

いわば「時間稼ぎ」に過ぎないわけですし、

その間に北朝鮮は「核戦力の完成」を急ぐ一方、

米国の「最後の決断」は刻一刻と近づいています。

実際、数日以内にもICBMが再発射されるとされ、

日本政府も偶発的事態に備えて緊張しています。

北朝鮮も米国も危険なゲームを戦っていますが、

問題なのはどちらの指導者も極端な人物であり、

お互い「核のボタン」に手を置いていることです。

北朝鮮情勢がどう推移するかということが、

当面の相場に大きな影響を与えるのは確実ですので、

「南北対話」や「ICBM再発射」といった状況を踏まえ、

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