これが緊迫した国会の「裏事情」です。政界は本当に「一寸先が闇」です。
(午前0時の更新です)
昨日の日経平均はごく小幅ながら続伸。
日銀短観のサプライズや、久々の日銀砲などが、
市場参加者の話題となった一日でしたが、
日米ともに重要日程が控えているためもあり、
久しぶりに気迷いともいえる値動きをみせました。
実際、政治の現場は本当に何があるかわかりません。
午前0時現在、まだ、国会の攻防が続いていますが、
昨日、国会は夕刻、相当に緊迫する場面がありました。
本来なら参院でカジノ法案(修正案)の採決の後、
衆院で内閣不信任を否決した後に、
カジノ法案(修正案)を賛成多数で成立され、
14日の午前0時までに粛々と閉会する段取りでした。
しかし、参院野党が総理問責を出すという、
ちょっと「想定外」の事態があったため、
参院でのカジノ法案の採決が遅れてしまい、
衆院への回付が午後7時以後になりました。
本会議は重要案件の処理に2~3時間はかかります。
午後8時くらいから内閣不信任案を処理して、
その上でカジノ法案(修正案)を採決するのでは、
時間的に午前0時をまたいでしまいます。
国会規則では「再延長」をしないのであれば、
会期中に審議が終わらなかった法案は、
「継続手続」をしない限り廃案となります。
したがって、安倍政権が全力を挙げたカジノ法案は、
「時間切れ廃案」になる危険が急浮上したのです。
そのため、衆議院は午後10時に本会議を開き、
3日間の「再延長」を決議することになったのですが、
この「再延長」の議決が1時間でも遅れていれば、
カジノ法案はハプニング的に廃案となるところでした。
前号メルマガ(第138号:12月11日)を読んだ方々は、
カジノ法案の背後にある相当に恐ろしい「裏事情」に、
鳥肌が立った思いをされたでしょう。
もし、事務手続き上の不手際によって、
カジノ法案があえなく廃案となっていたならば、
安倍政権は外交上、大きなカードを失うことにもなります。
昨日の夕刻というのは永田町も霞が関も、
カジノ法案への賛成派、反対派も全て含め、
相当に緊迫しながら成り行きを注視したものです。
また、「再延長」の話が出た瞬間に、
「延長幅」をめぐって色めきたった局面もありました。
もし、延長幅が1週間以上となるのであれば、
年内に「まさか」の可能性が急浮上するからです。
このあたりの事情は、前号メルマガを読まれた方々なら、
その意味するところの深刻さをご理解のことでしょう。
結果として延長幅が3日間にとどまり、
「まさか」の可能性もなくなったと判断されます。
(と、同時の市場の「期待」も一休み・・・)
そんなわけで、わりとハラハラする紆余曲折を経て、
このまま明け方にかけての衆議院において、
内閣不信任案とカジノ法案(修正案)が、
粛々と処理されて臨時国会の審議は全て終わりそうです。
いやはや。
メルマガでご紹介した与野党「密約」説の通りに、
通常ではあり得ないような異常なスピード感で、
とんとんと審議日程が入った臨時国会終盤でしたが、
最後の最後に発生した「想定外」のハプニングで、
内政・外交が思わぬ大混乱に陥る恐れが浮上したところを、
ギリギリのギリギリの「再延長」手続きでかわすという、
わりと綱渡り的な運営の臨時国会となっています。
(なお、昨日も衆参両院の手続きにおいて、
通常の国会では「あり得ない」プロセスが踏まれており、
いくつかの重要な「国会慣行」や「議会ルール」が、
紙屑になって消えていっています)
こうしたことが市場に与える影響は甚大です。
もし、事務手続き上の些細なミスがひとつあったり、
あるいは事故や事件のひとつでも起こっていれば、
安倍政権の目論見は大きく狂っていたわけで、
日経平均は混乱を嫌って崩落した恐れがありました。
一方、逆に、「再延長」の幅が7日以上とられていれば、
「まさか」の「期待」で株式市場も沸いたかもしれません。
歴史上の重要な事件というのはその多くの場合において、
何か「想定外」のハプニングから始まるものです。
だから、投資において無邪気な憶測や予断は禁物なのです。
「出来レース」のはずの今国会の終盤の攻防をみて、
「ああ、ハプニングは起こり得るのだな」と、
その思いを強くするとともに、
そうした政治的ハプニングの発生が、
マーケットに及ぼす巨大な影響をみるにつけ、
「政治の現場」の中枢を目撃する立ち位置から、
自ら投資家として分析、解釈をする私のようなプロが、
メルマガの形でレポートをする意義というのも、
やはりあるのではないかとの思いを強くした次第です。
こうした分析をするアナリストというのは、
やはり、いそうでいないそうですから。
さて。
明け方までに残りの案件を処理し終えたら、
安倍総理は故郷山口県に帰り、
いよいよプーチン大統領との首脳会談です。
国会最終盤での不信任だの問責だのという、
いつもながら意味不明のセレモニーのせいで、
国にとっても安倍氏にとっても超重要な会談に、
寝不足で臨むことになりそうなのは気の毒ですが、
こちらもどんなハプニングがあるかわかりません。
特に強力な指導力のリーダー同士の「首脳外交」では、
些細な一言や態度といったものが、
全体の流れを決めることが多々あります。
「期待度」はだいぶ低くなった日ロ交渉ですが、
日本経済にとっても安倍政権にとっても、
その影響は極めて甚大なものがありますから、
私達、投資家も決して油断はできない2日間です。
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