「10月総選挙」という賭け。
総理が解散を決断したことで、
連休中の政界には激震が走りました。
「10月22日総選挙」説については、
安倍政権の「勝利シナリオ」のひとつとして、
8月頃から何度もお伝えしてきたところですが、
「やるべきだ」という主戦論が燻る一方で、
リスキーな要素も指摘されてきており、
実際、話はいったん消えかけていました。
しかし、ここ最近の一連の「神風」を、
「好機」だと主張する声に押される形で、
ついに総理が決断したようです。
日経平均にとっても影響があると思われます。
前号メルマガ(第178号:9月17日)に書いたように、
安倍政権側の勝利が見込まれる衆院選では、
「選挙のアノマリー」の発生も考えられます。
また、折からのグローバル・リスクの後退と、
欧米の「引き締め」への思惑もあって、
為替が円安方向に振れています。
さらには米国株が再び絶好調で高値を更新と、
俄かに好条件が整ってきています。
ちょっと前まで2万円ラインは遠いとされましたが、
状況は全く異なってきています。
前号メルマガで算出した「水準」に照らせば、
勢いがついて「ど真ん中」に戻すだけで、
かなり高値に上昇しても不思議ではありません。
7月以来待ち望まれていた「反転攻勢」が、
一度、諦めかけた後に火がついた格好です。
ただし。
官邸がいったんは躊躇したように、
「10月総選挙」にはリスクがあることは、
今もやはり変わりありません。
今回、総理が決断をした背景には、
北朝鮮クライシスによる支持率回復と、
野党側で勝手に始まった「自壊」現象という、
2つの材料があるとみられていますが、
総選挙までの日程を考えるにつけ、
「皮算用」の通りに運ぶかどうかは、
やはりなんともいえないものがあります。
前号メルマガでも申し上げた通り、
北朝鮮クライシスはまだ完全には終わっておらず、
10月にかけてまた要注意の日程があります。
さらに言えば「地政学リスク」というのは、
何も東アジアだけにあるわけではなく、
欧州方面も中東方面も依然、気がかりです。
(欧州方面もピリピリしていますが、
中東での衝突発生も懸念されています)
基本的には「地政学リスク」の存在は、
現政権に有利に働くものではありますが、
情勢緊迫の中で「政治的空白」を作るという、
総理の「賭け」の結果がどうなるかは、
その時になってみないとわかりません。
また、野党側は為す術もなく壊滅するはずと、
与党の人々は高を括っているようですが、
衆院選の公示日までまだまだ日程があります。
急転直下で「共闘」を成立させるべく、
キーマン達が奔走していることも事実です。
無論、どんな形の「共闘」も極めて困難です。
誰と誰がどんな形で「共闘」するのか、
今、水面下で激しく交渉がなされていますが、
野党勢力の中にも剛腕の持ち主はいます。
「解散の大義」への疑問も呈されており、
野党側がうまく政権を包囲する形ができれば、
政権側は「返り討ち」のリスクもあるわけです。
そうなれば一転して日経平均は暴落の危機です。
ともあれ、政界は与野党の両陣営とも、
灰神楽が立つほどの大騒動になりました。
次号メルマガ(第179号:9月25日)では、
激動する政局や国際情勢の推移をよく見据え、
総理の「勝利シナリオ」に死角はないか検証します。
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