米国が失いつつあるものと、投資家が留意すべき点。
昨日の日経平均はようやく少し反発。
ただし、寄り付き直後の大幅上昇から、
引けにかけては随分と値を消してしまっており、
上昇幅も50円と小幅に止まっています。
市場は依然として「霧の中」です。
北朝鮮という「地政学リスク」、
トランプ政権の「政治リスク」、
そして世界的な金融政策の転換の可能性を前に、
緊迫したムードが続いています。
昨日は米国の「政治リスク」に焦点が当たり、
トランプ大統領による「政府閉鎖」発言という、
9月相場の大荒れが予感される嫌な材料も出ました。
依然として米国株は史上最高値圏にありますが、
金融政策、財政政策、そして政権の存続そのものと、
米国の不透明感が増しているという危うさです。
昨夜の日経先物は再び19300円台まで下がっています。
もっとも、ちょっとした「希望」の話もあります。
ひとつは安倍政権です。
低迷気味の株価にもかかわらず、
秋以降も政権が存続する可能性が、
また、じわりじわりと上昇してきています。
もっとも、安倍政権の努力というより、
野党側の「敵失」の要素も大きいわけですが、
解散の時期や「改憲スケジュール」と絡み、
「勝利のシナリオ」にバラエティが増していますので、
次号メルマガ(第175号:8月27日)で詳しく述べます。
もうひとつは米国と北朝鮮の間で、
緊張が緩和される可能性が示唆されたことです。
前号メルマガ(第174号:8月13日)でも述べたように、
米韓合同軍事演習というのは北朝鮮側にとっては、
「レッドライン」を越えているはずですが、
口ではわあわあ言ってはいるものの、
今のところまだミサイルを発射してきません。
一方で米海軍は度重なる事故の責任をとって、
第7艦隊の司令長官が解任されたため、
当面のところ奇襲攻撃が考えづらいともいえます。
北朝鮮もとうに「レッドライン」を越えていますが、
まだ、米軍のほうからは殴りかかってはいません。
このまま、双方とも「引き鉄」から指を外した上で、
お互いに「落とし所」を探り合うことになれば、
少なくとも「即時開戦」は遠去かります。
トランプ大統領は能天気に、
「近々、前向きなことがあるかも」と発言しましたが、
事実であれば株式市場にも追い風は吹くでしょう。
ただ。
北朝鮮と睨み合いと駆け引きを続けている間に、
世界全体での米国の地位と影響力が、
大いに低下しつつあることは否めません。
北朝鮮問題というのは米朝の二国間問題ではなく、
世界全体を舞台とする「グレート・ゲーム」での、
米国と中国、米国とロシアという「大国」同士の、
大きな大きな「覇権争い」の一環でもあります。
そうした「覇権争い」において、
米国は優勢にゲームを進めつつあるのかというと、
どうもやはり雲行きはおかしくなっています。
今回、北朝鮮の暴発を抑えきり、
関係国の死傷者をゼロにとどめることができれば、
確かにそれは目出度いことではあるのですが、
しかしその過程で米国が何を失ったのかは、
日本人としては正確に認識すべきかと思います。
投資家としてはどうにも気がかりな点がありますので、
次号メルマガで詳しく述べさせていただきます。
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