「アベのミス」、再び?
年初からここまで株価が低迷している理由は、はっきりしています。
政策的なミスです。
安倍内閣は、
前国会(185臨時国会:昨秋)を「成長戦略実行国会」と、
今国会(186通常国会:現在)を「好循環実現国会」と銘打ち、
アベノミクスの成功を約束したものの、
口で言うのとは裏腹に、
ほんとーーーーーに何もしませんでした。
「第1の矢」(金融緩和)はともかく、
「第2の矢」(財政出動)は初年度だけで、昨秋以降は緊縮に転じ、
「第3の矢」(成長戦略)に至っては最初から一本も飛びませんでした。
チャートをみるとわかります。
アベノミクスとはすなわち「政策相場」です。
「第1の矢」と「第2の矢」が飛んだ瞬間(2012年末)から急上昇。
調整暴落をはさんで、「第3の矢」が飛ばなかった昨年6月からレンジに移行。
「第2の矢」が引っ込み、やっぱり「第3の矢」もないとわかった昨年末から下落。
本来であれば、
今年4月からの消費増税の反動減はわかっていたのですから、
やはり、昨年秋の国会は「成長戦略実行」に、
今国会は「好循環実現」に、
それぞれ、じっくり本腰を入れて取り組まねばならなかったのです。
しかし、そのそぶりがないので外資は雪崩を打って売りに転じました。
「裏切られた」と感じたのです。
まさに、政策的なミス。すなわち、「アベのミス」です。
(旧ブログ、2月26日の記事もご参照ください)
なぜ、そうなったのか?
「火遊び」が過ぎたのです。
昨秋の臨時国会では、「成長戦略実行」というのとは裏腹に、
全力で「安全保障政策」(NSC法と特定秘密保護法)に取り組み、
特定秘密保護法で大騒ぎになった挙げ句、年末には靖国参拝を強行しました。
無論、安全保障政策は重要です。
だから力を入れること自体が悪いというつもりはありませんが、
せめてその情熱の半分でも経済政策に振り向けていたら、
今頃の株価はまだ15000円台後半の高いところをキープしていたでしょう。
やはり政策的なチョンボ。「アベのミス」でした。
問題はこれからです。
今日、安倍首相は「集団的自衛権行使容認」を「宣言」しましたが、
いったいこれに、どれだけのエネルギーを使うかです。
何ごともなく行けばいいのですが、
世論やメディアが過剰反応をしたり、
自民党内が揉め、連立与党がぎくしゃくし、
野党再編が勢いづいて地方選挙を落とすことになったり、
中国からの激しい反発や牽制で地政学的リスクが増大すれば、
株価はぐっと冷え込みます。
夏の「内閣改造」に向けて「アンチ安倍勢力」が力を増せば、
政権側がやりたい「成長戦略」も通らなくなり、
秋の消費増税対策もままならなくなり、
来年度の予算編成にも大きく響いて、
またぞろ「アベのミス」で、
秋以降の景気に大きな重しがかかります。
そろそろ永田町では、
「内閣改造」の人事案がまことしやかに流れはじめ、
次の経済政策の「予測」が立てられつつあります。
政財界に影響力のある人々はもう、
こういう情報をもとにポジションをとりつつあります。
(現時点で私が入手した情報は次のメルマガでお知らせします。
第4号は5月18日発行の予定です。お楽しみに!)
現時点では、わりといい線の情報が流れていますが、
あまり、集団的自衛権の行使容認で周囲を軋轢を起こし過ぎると、
せっかくのアベノミクスを台無しにしかねません。
繰り返しますが、安全保障政策は大事です。
しかし、経済力あっての国力。
国力があってはじめて国が守れるわけです。
勇ましいのも、頼もしいのも結構ですが、
また再びの「アベのミス」をやらないよう、
賢明なる政権運営を心がけて欲しいものです。
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