「ミスター・マーケット」が帰ってきたら
為替が支援材料となったこともあり、昨日の日経平均は8日連続高。
ただし、高値15492.88円と安値15433.72円の差が59.16円という異常に狭いレンジでの推移です。
しかも、103円台という円安にもかかわらず、わずか4.66円高。
下値が堅調なのはいいのですが、15500円が近づくとすかさず売られるのが気になります。
今のところ、日本国内に積極的な上昇要因が出ておらず、
やはり、この2ヶ月以上も続く15000-500円のレンジを皆が意識していますから、
昨日は引けにかけて強引に下げる動きもありました。
もっとも、為替が動き、かつNY市場も持ち直していますので、
今日も高く始まるでしょうし、やはり7月31日高値15759.66円は十分あり得ますが、
しかし、こうして「高値圏」に差し掛かりつつある時こそ要注意です。
連騰の後ですし、「上値が重い」となれば、ヘッジファンドが一気に仕掛けてくるかもしれません。
ジャクソンホール会議が異常に注目を集めていますが、
イエレン議長をはじめ、要人の些細な発言をとらえての売り崩しが警戒されているようです。
私は、メルマガ16号(8月10日発行)で書いた例の情報をずっと警戒していますが、
ああいったコンセンサスが市場で醸成されると、半年以内に一斉に仕掛けてくるものです。
何が一斉売り崩しのきっかけになるかわかりませんが、
米国当局になんらかの政策転換の兆しがあれば、有力な売り材料になり得ます。
それをさせるかさせないか、当局とヘッジファンドとの神経戦と駆け引き次第です。
この状況で、どっちに転ぶかを「予測」するのはギャンブルに近いものがあります。
いずれにせよ、10日も20日も陽線が続くことはまずありませんから、
やはりこの水準からの買いには慎重にならざるを得ません。
日中の相場に動きがないせいか、巷(?)では「個別の小型株を物色!」などと煽っていますが、
こういう状況での小型株への投資は、だいたいの場合、「丁半博打」になります。
もちろん、世の中には「ギャンブルが好き」という人もいますし、
皆が皆、「休むも相場」を決め込めば、証券会社は干上がってしまいますので、
私としても別に顧客を煽る業者さんを批判するつもりはありませんが、
投資のベテランはこういう状況で忙しく売り買いをしたりはしないものです。
「日経平均先物の秘密エントリー・ポイント」のように、根拠のあるエントリーならともかく、
手がかりもなく、根拠もないのに、ノルマもない個人が売買する理由は全くありません。
(「特典2」はお盆明けも連勝中です)
いずれにせよ、2ヶ月以上も狭い狭いレンジの中にいる現状が異常事態なのですから、
遠からず、相場は忙しく動き始めます。
国内要因でいえば「政治の秋」が気になりますし、米国の経済政策にもそろそろ動きが出る頃です。
(お盆の間にいろいろありましたので、次号のメルマガに詳しく書きます)
どちらも、ひとたび状況が変われば、相場を大きく動かすきっかけになります。
いったん動き始めた相場は、上にも下にも過剰な動きをするものです。
ベンジャミン・グレアムが「ミスター・マーケット」と呼んだ昔からそうでしたが、
昨今の過剰流動性相場では、その傾向はますます強まっています。
ずっとずっと昔から、「ミスター・マーケット」は双極性の人格を持っており、
過度に楽観的か、過度に悲観的かの間をめまぐるしく行き来します。
それゆえ、いったんは「客観的にみてそれはおかしい」という値決めをした後で、
反省して値段を元に戻そうとします。
「時鳥トレード」は、ある意味、「ミスター・マーケット」の感情が激しく振幅するのを、
ただ冷静に眺め、行きすぎたら「それは違うでしょ」とあるべき方向にポジションをとる手法です。
投資とは心理戦ですから、冷静で合理的なほうが常に勝ちますが、
幸か不幸か、相場では常に冷静でいるほうが難しいものです。
そこを常に冷静でいるための尺度として、私はメルマガで「居心地のいい水準」を公開していますが、
相場が荒れ始めたら「居心地のいい水準」におさまっているほうが珍しくなります。
今年は、「ミスター・マーケット」が長い長いバカンスをとっておられるようですが、
帰ってきたらまた、悲観と楽観の間で忙しく動き回るでしょう。
心配しなくても、「安心、安全、堅実」なチャンスは必ず来ますので、
その時に備えて資金と心に余裕を持ってのぞみましょう。
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