安倍政権の「政治的アセット」。
先週の日経平均は膠着状態ながら、
週末にかけて2万円ラインに近接してきました。
日米の金融政策決定イベントでしたが、
当局の「対話」の努力で「波乱」も「攪乱」もなく、
それなりの「安心」感が広がったことと、
米国株高が続くなかで少し円安に振れたという、
「追い風」がやってきたことが大きいと思われます。
今週は2万円ラインをふたたび確保し、
ここを固めることができるかが焦点ですが、
「波乱」も「攪乱」もなく重要日程を通過したからは、
もう少し勢いの良い上昇圧力となりそうな気もします。
決定的に重要な金融政策イベントが無事だったといえ、
やはり日米両国で浮上している「政治リスク」や、
中東や東アジアで燻る「地政学リスク」は深刻で、
なかなか市場の空気もすっきりと晴れてきません。
前号メルマガ（第165号：6月18日）に書きましたが、
先週の国会での大騒動を通じて、
安倍政権は重要な「政治的アセット」を失い、
その回復に手間取ることも予想されています。
加計学園問題に関しては総理自身の記者会見で、
ある程度、国民の信頼を回復できるとはいっても、
「敵」は二の矢、三の矢をまだ持っているとされ、
秋口を焦点に再燃させることが可能とみられます。
また、政権が抱える火種は加計学園だけでなく、
「アベノミクスそのもの」にも及びそうなだけに、
ここからのダメージ・コントロールは正念場です。
いかんせん、国会の閉じ方に「後味の悪さ」が残り、
永田町にはまだ嫌な空気が残ったままです。
今朝の新聞は軒並み内閣支持率の急落を報じています。
雲が晴れ、日が差し、「熱い夏」を迎えるためには、
政権がその足元を固めるのは不可欠の前提ですので、
政権は急いで挽回へと動く局面といえます。
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