首相・財相訪米であり得る「最悪のリスク」とは。
(午前0時の更新です)
日経平均は続落。
「トランプ砲」が再び「日本車」を攻撃するなど、
市場にさらなる冷や水が浴びせられました。
もっとも、下落幅は小さいものにとどまっており、
完全に崩れていく様子はまだみえません。
「トランプ砲」はいつもながら支離滅裂で、
実行の可能性を疑われても仕方ない内容です。
すでに80年代までとは状況が異なっており、
今、日本の米国車の販売を阻害する要素はありません。
「日本車」と言っても米国で流通するものの多くが、
「米国製」の日本ブランド車でしかありません。
「米国人を雇え。米国製品を買え」というのならば、
米国の労働者が米国で製造した「日本車」を、
むしろもっと買えという話になるはずです。
「国境税」などを「日本車」に適用しようにも、
実務上はかなり難しいと聞いていますから、
「トランプ砲」というのは「話半分」くらいが、
もしかしたら、ちょうどいいのかもしれません。
しかし。
「話半分」でも看過できない、もっと大きな話があります。
そのひとつが通貨です。
昨日は円高ドル安が一段落したため、
日経平均の下げ足は緩やかになりました。
ですが、再び円高ドル安が加速するようであれば、
今度こそ日経平均は崩落しかねません。
前号メルマガ(第144号:1月22日)で書いたように、
トランプ氏の発言は支離滅裂なところがあります。
為替についても、その発言通りの経済政策を行えば、
ドル高圧力が発生するのは当然ではありますが、
そうやってドル高を引き起こしておいて、
「ドルは高すぎる」と憤っているのです。
まるでコントか笑い話のような情景ではありますが、
日本としては一方の当事者であるだけに、
そうそう笑ってばかりもいられません。
というのも、トランプ大統領が一連の「玉」を実施しながら、
なお「ドル安誘導」をやる方策が、
実はないわけでもないからです。
無論、それは大変に無茶で乱暴な話なのですが、
しかし、ちょっと歴史を振り返ればわかるように、
過去、米国はドル切り下げをやった実績があります。
当時も日本経済は上に下にひっくり返る騒ぎでしたが、
アベノミクスによる「円安誘導」を4年間やった今、
米国が「ドル安誘導」を強行すればどうなるのでしょうか。
笑い話では済まない「テールリスク」の恐れがあります。
日本を「貿易戦争」の標的にさせないという、
安倍政権の最重要課題が怪しくなりつつある今、
永田町も霞が関も「最悪のリスク」を想定して、
少しづつ緊張の度を強めつつあります。
確かに、衆院の解散など、到底、無理な状況です。
日米首脳会談は「2月3日説」や「2月10日説」など、
諸説あってまだはっきりとはしませんが、
首相・財相訪米であり得る「最悪のリスク」とは、
いったい何があり、どんな結果を招きかねないのか、
次号メルマガ(第145号:1月29日)で分析します。
日本も、安倍政権も、本当に正念場です。
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