(午前0時の更新です)

日経平均は上昇を維持。好調です。

「アベトレード」が復活したのか、

あるいは米国の年内利上げを織り込む動きなのか、

為替も円安が進み、支援材料になっています。

前号メルマガ(第131号:10月23日)でみた通り、

日経平均の上値余地はまだまだありますので、

波静かな状況が続くのあれば、

もう少し安心して眺めることができそうです。

さて。

国会は今週がヤマ場。

ちょっとテクニカルなことですが、

衆院の日程が金曜午前まで埋まり、

今日あると言われていた参院本会議はスキップ。

これが意味するところを正確に理解して、

解説するメディアは見当たらないようですが、

国会はTPPの成立を見越した駆け引きが、

いよいよ大詰めにさしかかっているようです。

先週末あたりに想定された日程がガラリと変わり、

事態は昨日あたりから風雲急を告げています。

国会をウォッチするにあたって、

重要なのは審議内容よりも、まず、日程です。

日本の国会を英語で「Diet」といいますが、

その意味するところは「日程」です。

国会審議は絶対に一定の手順を踏んで行われますから、

日程表に一つひとつはめ込んでいく作業がほぼ全てです。

というのも、日本の国会には「会期」という制約があり、

会期内に審議が終わらなかった法案は、

継続手続きをしない限り廃案になってしまいますし、

衆院が解散されたら問答無用で全法案がパーになります。

法案の審議日程は与野党の理事が合意しない限り、

決められない原則というのが「憲政の常道」ですから、

限られた審議日程をどうやりくりして、

何を先にやって、何を後回しにするかを、

与野党の間で交渉し、駆け引きして決めるわけです。

これをやるのが国対委員長です。

与野党とも国対委員長がエライ理由はこれです。

実際、政策的な優劣や、委員会審議の内容よりも、

法案に優先順位をつけたり、

与野党間で貸し借りをしたりすることで、

どの法案が通るか通らないかが決まるというのが、

良くも悪くも日本の国会のシステムです。

ともあれ、臨時国会のヤマ場です。

「与党が憲政史上に残る荒業に出るかも」と、

野党側は警戒を強めているようですが、

もし、そうした荒業を政権側がやるのであれば、

安倍政権は前号メルマガで述べたような、

年末年始以降の外交上の「根回し」のために、

ひとつの布石を打つつもりかもしれません。

表向きの焦点はTPPですが、

安倍政権の狙いはTPPなどにはなく、

もっと別のところにあるようです。

もし、その仮説が正しいのであれば、

TPPはそのための「貸し借り」の材料となります。

(ただし、これが「貸し」になるかはやや疑問)

いずれにせよ、かなりスケールの大きな話です。

金曜日の午後には安倍政権の狙いが、

おおよそ検討がつくと思われますので、

次号メルマガ(第132号:10月30日)では、

安倍政権が仕掛ける国際的な駆け引きについて、

前号メルマガの内容をさらに発展させて分析します。

アベノミクスだけでなく、安倍政権そのもの、

そして日本経済の未来がこれにかかっていると言っても、

決して過言ではない話です。

投資家として、知っていて損はない内容だと思いますので、

興味のある方は、どうぞお楽しみに。

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