金持ちは不景気に種を撒く。
日本人みんなが不況にあえいでいた民主党政権末期の2012年頃には、
世界経済はリーマン・ショック、欧州危機とその後遺症を乗り越えつつあり、
「グレート・ローテーション」(大転換)と表現されるような、
「リスク・オフ」から「リスク・オン」への切り替えが始まっていました。
そしてその後、3年以上も続く米国を中心とした歴史的株高となりました。
アベノミクスというのはこの流れに乗ったに過ぎないともいえますので、
世間で言われる「安倍総理は運がいい」とはこのことだと、
私は強く感じていました。
しかし、どんな好景気も必ず終わる日が来ます。
米国の株高を支えたQEシリーズはもう終わりの日が近いですし、
中国は「40兆元対策」の後遺症の治癒を始めており、
また、新興国の好景気を支えた資源高もどこかに消えました。
このように、「グレート・ローテーション」を構成した柱が、
ひとつまたひとつと消えつつあるなか、
アベノミクスは「短期的な株高」を志向した「ステージ1」から、
「超長期的な人口構造改革」を色濃く出す「ステージ2」へと、
これもまた質的な転換をしつつあるようにみえます。
「グレート・ローテーション」の後の新しい世界経済の有り様は、
今回もまた「ニュー・ノーマル」と呼ばれるのかどうか知りませんが、
景気というのは数年おきに調整する必要があるわけですから、
今後、IMFなどが懸念する「大嵐」が来ても来なくても、
数年程度続く調整局面がやってくる可能性はあるわけです。
メルマガで何度も書いてきたように、
米国経済の超長期見通しは悪くありませんが、
利上げをやればいったん株価がグズグズするのは当然です。
もし、
・世界経済の潮流の変化(グローバル・リスク・オフへ)
・アベノミクスの質的変化(短期目線から超長期目線へ)
という「静かなる大転換」が発生しつつあるのであれば、
前号メルマガ(第77号:10月11日発行)で書いたように、
来年にかけての日経平均の上値はだいぶ制限されたものになります。
少なくとも、2万円台の高値で買った塩漬け株が救済されるのは、
次の日銀の追加緩和が発生したその瞬間か、
さもなくば、数年後にやってくる次の好景気になってしまいます。
だからこそ私は、日経平均が18000円に達した春頃のメルマガから、
そこから先の株高局面を「アベノミクスの最終盤」ととらえ、
徹底して「売りの時鳥」に徹してきたわけです。
世間がどんなに「3万円相場が来る」「2万4千円まで上がる」と煽ろうと、
株価の上値は「20950~21250円」のゾーンにとどまるだろうと算出し、
実際にピタリとそのとおりに的中したことは、
読者の皆様も覚えておられることと存じます。
そして、この夏は、世界でも日本でも潮目が変わりつつあるのを感じて、
メルマガでも私自身が「リスク・オフ」に向かいつつあることを、
具体的な投資対象や手段などとともに申し上げてきましたが、
こうして世界経済の「大嵐」や「潮流転換」が囁かれ、
アベノミクスも「ステージ2」で「別物」になってしまいそうな今、
あの株高局面で踊らなくてよかったと心から思います。
いずれにせよ、昨日の日経平均の下げはよくない兆候です。
感覚的な話で恐縮なのですが、
「大嵐」による「水準」の「下スライド」に備えるというより、
例の「目減り現象」を先取りしつつあるように感じています。
後者であれば、安定局面になっても株価は回復しませんから、
やはり最高値更新は「次の好景気」を待つことになりかねません。
まあ、しかし。
景気の潮流が変わるのであれば、それはそれで結構な話です。
「時鳥トレード」は短期的・中期的な値動きのなかで、
「ここは安心・安全・堅実」と思われる株価位置を探しますので、
別に好景気も不景気も関係なく、今後も定期的にチャンスが来ます。
「株が高い、安い」と「儲かる、儲からない」は関係ありません。
むしろ、上級者は不景気で株価が沈む時にこそ大儲けするものです。
また、長期的な資産構成にとっては、不景気の到来は大歓迎です。
不景気が来ないと好景気も来ないのですから、
経済全体にとっても「ニューノーマル」はありがたい話ではあります。
金持ちというのは、不景気の時に種を撒くものです。
貧乏人が好景気で買って不景気で売るのとは全く逆に、
不景気でごっそり買って、好景気でこっそり売り抜けるのが金持ちです。
初夏の頃のメルマガで、資産整理を開始した資産家たちを紹介しましたが、
彼らはこの夏、株高、不動産高局面で売るべき資産をすっかり売り抜け、
次に来る「大嵐」を安全に乗り切るための備えを完了した上で、
「次の不景気」で安値の優良資産をごっそり買うことを、
手ぐすね引いて待っています。
では、「次の不景気」となれば、どんな資産にうまみがあるのか?
私自身も、ちょっとおもしろいと思うことをポツポツ始めましたので、
次号メルマガ(第78号:10月18日発行)では、
具体的なその投資対象の候補などを書かせていただきたいと思います。
それほど多くの資金がなくてもできる投資が多いですが、
みんなが買うようになってからでは遅い(妙味半減)ですので、
やるなら早いほうがいいかなと考えております。
いずれにせよそろそろ、
「アセット・アロケーション」を考え直すべき時ではないでしょうか。
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