もしもクジラが去ったなら
中国でふたたび不安台頭。
「中国政府が株価維持をやめるのでは?」という「噂」が市場を支配し、
またしても株価が急落する展開です。
今のところ中国政府は明確な態度を示していませんが、
せっかくの調整局面で膿を出し切っておいたほうがいいと判断すれば、
このまま何もせずに株価下落を放置することも考えられます。
中国政府が「落とす」と判断して落ちるなら、それはそれでいいのですが、
政府の無理な株価維持政策(PKO)を期待して買っていた人々は、
かわいそうというべきか、あわれというべきか。
ただし、断言できるのは、あんな無理なPKOはいつまでも続かず、
やればやるほど、後でくる「しっぺ返し」が巨大なものになるということ。
たしかに、株価下落で中国の社会不安が増すのもよくわかりますが、
習近平氏が何十年も権力の座に居座りたいのであれば、
どこかの時点でいったん「リセット」して健全な成長路線に回帰し、
株価もそれにつれて上昇する形に戻す必要があります。
もっとも、ここまで無茶苦茶なことをした後で、
うまくコントロールされた調整安を起こすなど、
まあ、神業のような難しいさじ加減が要求される大難事なのですが。
これは日経平均株価についても同じです。
「相場操作」という点では、日本政府がやってることは中国も真っ青。
「5頭のクジラ」によるPKOという無茶苦茶を続けています。
先週末から中国も米国も暴落模様となっていますが、
ひとり日本市場だけが2万円超の高値圏に張り付いており、
「投資先は日本のみ」という言葉を裏付けています。
しかし、昨日のような相場展開をみると、しばらくは高値が予測されても、
私としてはやはり不安になってしまいます。
昨日は中国不安と米株安の影響で寄り付きから下げたものの、
強烈な「先物買い」が入っていったん20500円近くまでは値を戻しました。
日本経済の先行きが明るいための「自律回復」ではなく、
ちょっと強引で不自然なPKOによる値動きです。
前号メルマガ(第66号:7月26日発行)に書いたように、
「官製相場」を主導する「5頭のクジラ」は秋以降さらに強化され、
おそらく相当程度の期間、株高を維持しようとするはずです。
しかし、もしその「クジラ」が去ったなら何が起きるのでしょうか?
古今東西、「株価操作」は私人がやれば違法行為、犯罪です。
株価形成プロセスというのはいったん歪めば、
必ず後で手ひどいしっぺ返しがきます。
たとえ、「株価操作」をやるのが政府であってもそれは同じ。
政府が経済全体(需給)に適切な政策的手段をもって働きかけ、
適正な経済成長とインフレ率が達成されるのにしたがって、
健全に株価全体が上昇する形ならば問題はないのですが、
肝心の経済が動いていないのに、株価だけ操作すれば、
必ず後で経済そのものが毀損してしまいます。
だからこそ、公的資金を投入しての株価操作は「禁じ手」なのですが、
日本と中国だけは一生懸命にそれをやっています。
「5頭のクジラ」が健在なうちはいいのですが、
クジラが体力を失ったり、撤退命令が出たならば・・・。
無理に無理を重ねたものはやがて強烈なしっぺ返しを受けます。
今日、ある週刊誌の見出しに「日経平均は3万円へ」という文字を見て、
ちょっとのけぞってしまいましたが、
もし、今の政府が持っている「玉」のラインナップでそれが達成できれば、
それはよほどの無理と無茶と無道を重ねた結果であり、
その後にやってくる未来は身震いするようなものです。
週刊誌は大げさな見出しをつけて部数を伸ばすことが「商売」ですが、
そんなものに煽られて素人が損をしても誰も責任をとってくれません。
残念ながら「最悪の事態」の可能性は否定できません。
それゆえ、メルマガ読者の方はよくご存じのように、
私はもう数年計画で「その日」にむけて準備をしつつあります。
いつも申し上げることですが、政治的・経済的大動乱のなかでは、
「富の勝者」が入れかわり、「富の移転」が行われるものです。
8月は「夏枯れ」で相場全体が膠着するものですし、
8月は水面下で政局の「仕掛け」が行われますので、
私としてはしばらく長期戦略をしっかり練り直します。
前号メルマガでは私が今、盛んに買っているものをご紹介しましたが、
他にも明らかに「おいしい」と思われるディールがありますので、
次号(第67号:8月2日発行)あたりにぼちぼち書いていきます。
「時鳥トレード」とは異なる内容ではありますが、
相場が膠着状態の今はそういうことに頭と労力を使ったほうが、
賢明だし健全だと考えております。
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