先週末の米国雇用統計は内容的にはネガティブ。

米国に景気減速の可能性があれば、米国のみならず株価に下方圧力がかかります。

ただ、材料にストレートで反応するわけではないのが株式市場の不可思議さです。

景気減速を理由に、「利上げ先送り」の「噂」がまき散らされると今度は上げ要因です、

利上げは6月というのが大方の予想ですが、

当局者は最初から「先送りもあり得る」と含みをもたせているため、

「9月までゾロ金利」「年内は大丈夫」といった「噂」が流れると、

株価もポジティブに反応する可能性はあるにはあります。

一応、今のところはそうした「噂」を聞いてはいませんし、

市場がお休みだったこともあって、目立った噂や仕掛けをみなかったため、

どちらに動くのか読み切れませんが、ダウ先物は大きく下げて反応しています。

ならば、当たり前に考えて、今週の日経平均は下げから始まるべきところです。

しかし、「当たり前に考えて」も、その通りにならない今の日本市場。

当然に「下げる」べき局面でも、そうはさせじと政府PKOが頑張ります。

「官製相場」を演出する政府の「5頭のクジラ」に加えて、

「追加緩和がある」という「ゴジラ級」の「期待」まで繰り出しています。

「クジラ」も「ゴジラ」も総動員して日経平均を吊り上げるなど、

まったくもって理屈にあわない無茶苦茶な「株価操縦」ではありますが、

日経平均は先週、19000円を割ったところから反発した際に、

長い下ヒゲをつけており、これを「反騰のサイン」とする見方もあります。

19500円にカベができてしまたようで伸び悩んではいますが、

さりとて19000円を大きく割り込む売り仕掛けの成功も難しそう。

そんなわけで、基本的に今週も、NYからの売り圧力に対抗する形で、

政府PKOが株価全体を支え、切り返そうとする働きから始まりそうです。

この状況におけるエントリーや利確についての具体的な戦略は、

前号メルマガ(第50号:4月5日発行)に詳述しておりますが、

今週も先週同様、「神経戦」になることを覚悟しております。

「神経性」とは「判断に迷う」展開であり、

つまりそれは、「安心、安全、堅実」とは言い切れないということです。

そして、「判断に迷う」ような難しい局面であるにもかかわらず、

わざわざ危うい売買に手を出すこともないかと考えております。

無論、「高値異常値」にいる今、私は「売り目線」ではあります。

一応、雇用統計直後に「下がる」とみて、仕込んだ売り玉が手元にありますが、

政府PKOが出てくるようなら撤退か損切かで逃げて、あとは様子を見るつもりです。

上がるか下がるかわからない「神経戦」で資金と気力を消耗するよりも、

確実に「上がる」「下がる」というポイントを待ったほうが、

結果としてパフォーマンスがいいことは何度も申し上げてきたとおりです。

やがて、相場をめぐる環境が変わり、

この、売り買い拮抗する状況が変化する日がやってきます。

私たち個人投資家にはノルマがあるわけではなく、

慌てても、焦っても、いいことはひとつもありませんので、

じっくりと「その日」が来るのを待とうと思います。

どうもやはり、「セル・イン・メイ」になりそうな気はしますが、

まだ、全ての材料が手元にあるわけではありませんので、

詳しい話はまた、メルマガ(第51号:4月12日発行)で。

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