海外勢は今後、どこを見ていくのか。
昨日の日経平均は高値17127.66円をつけました。
売買代金は5兆4304億円という大相場です。
「黒田バズーカ2」等、政府による「全弾投入」のパワーはさすがに凄まじいです。
まさに「国策に売りなし」。
メディアは全面的に「先高感」の一色に染まっていますし、
あちこちで「乗り遅れるな」の声が聞こえていますから、
どんな機関投資家も、しばらくは売りを仕掛けるのは勇気がいるでしょう。
とはいえ。
昨日の日経平均は17000円を前後に揉み合い、引けにかけて利食いに押されました。
これは、投資家の心理を考えるとわかります。
黒田総裁がサプライズで追加緩和を発表した瞬間において、
今年の最高値16380円を超えることは、ほとんど確実となっており、
しかも、そこから先は目立つ節がありませんでした。
そこに、巨大な上昇エネルギーが加わったわけですから、
相場参加者の意識がキリのいい数字(17000円)に集中します。
つまり「群集心理」です。
それゆえ、私は、先週金曜日に黒田総裁が追加緩和を発表し、
株価が盛大に吹き上げたのをみた瞬間に、
「ターゲットは17000円」だと判断し、その旨をツイッターでつぶやいた次第です。
緩和ショックは強大であり、しかも上昇を止める材料がないのですから、
ターゲットまで達するのは確実なのは、ある意味当然です。
事実、そのとおりになりました。
しかし、「時鳥トレード」は、「確実に上がる(下がる)」点まで達すれば、
そこで、深追いするのはやめます。
「もっと上がる」という確率が8割、9割あったとしても、
1割でも2割でも失速して反落する可能性があるのであれば、
そこから先の上昇は「確度の高い予測」にしか過ぎませんから、
そうした予測には乗らないことにしているのです。
実際、昨日は17000円前後で揉み合った後、先物は300円以上も下げました。
無論、大台に乗ったら、いったん反落するものですから、
そこで「押し目」を狙うという順張り投資にも合理性はありますが、
私の定義する「安心、安全、堅実」な「時鳥トレード」とは違う概念です。
ですから私は、今回のエントリーは17000円までの利確で良しとしています。
(なお、利確にはちょっとコツがありますので、前号メルマガで説明しました)
さて、今後の話です。
実は先週末の三連休、海外から古くからの友人が訪ねてきました。
世界中の誰もが知る、「海外勢」の総本山、あの巨大金融機関にいる友人です。
彼の奥さんも、某国の政府系ファンドに勤めており、情報量は膨大です。
彼らは金曜日に日本に着くや否や、「黒田バズーカ2」を目の当たりにして、
PC画面の前で、日本式(?)に手を合わせて喜んだそうです。
彼らによれば、これで11月以降の米国、そして世界の流れが変わる可能性があり、
いくつか重大なシナリオ変更をして、来るべき「大相場」に備えたいとのこと。
「黒田バズーカ2」は、日本人が思う以上に、世界に影響を与えたようです。
しかし、今後、海外投資家が、日本株も同じように買っていくのかといえば、
当面の上昇が一段落した後は、リスクがあってわからないといいます。
「いくつか重大な懸念が払拭されることが、継続する日本買いの前提」だそうです。
彼らはそれを見極めるために、驚くほど日本の政局、政策を詳しく分析しており、
正確な状況認識をもとに、買いと売りのタイミングを慎重に推し測っていました。
正直、「政策のプロ」の私からみて、日本の新聞記者など問題にならない水準です。
これが、世界標準の機関投資家のレベルです。
この点、日本の「プロ」とおっしゃる方々が、
国際情勢の分析はおろか、国内政局の読みも、政策の評価もそっちのけで、
チャート上の記号だけを頼りに、顧客に売買のシグナルを出しているようでは、
いつまでたっても、日本の個人投資家がカモにされるのも仕方がありません。
そのため、次号メルマガ(29号:11月9日発行)では、
海外投資家のみる「追加緩和後の日本市場」のポイントを、詳しく解説いたします。
前号メルマガ(28号:11月2日発行)の内容とあわせて読めば、
年末以降の日本市場の方向性について、判断の尺度を得ることができるはずです。
追加緩和という「劇薬」が投下された日本市場は今後、
バブルの再来のような黄金の株高時代がやってくるか、
あるいは、目も当てられない大暴落に沈むかのどちらかです。
このバスは天国に行くのか、地獄に行くのか。
投資の手法、対象を問わず、全ての投資家にとって重要な指針だと信じています。
お楽しみに!
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