あの「シグナル」を発見しました。
昨日の日経平均も続伸。
あれほどの急騰の後ですので、
朝方から、利食いに押されて17000円がやや遠く感じられる展開でしたが、
引けにかけては17000円近辺まで盛り返しました。
各種指標にもまだ過熱感はありません。
売買代金は3兆5458億円に膨らんで、3兆円台をキープ。
先高感は継続しています。
ここから先は「未知の領域」です。
これだけ、膨大なマネーをデフレ国家につぎ込むなど、
人類史上誰もやったことのない壮大な「金融実験」です。
「どこまで上がるんだろう」という人々の興味が、市場を席巻しつつあります。
その正式な回答を出すことは、ノーベル賞学者であったも不可能なはずですが、
あちこちで、「年末18000円」が既定路線のように話されています。
すでに、タブロイド紙の一面は「乗り遅れるな」の一色になりつつあり、
今週以降、発刊される雑誌は「●●銘柄特集」で埋め尽くされるでしょう。
昨年、NISAを開設したはいいものの、年初からの暴落劇をみて怖くなり、
ほぼ一年間、口座を寝かせたままにしていたという初心者の方々が、
ようやく、「株は儲かる」と思い始め、
「どの株を買おうか?」と考え始めたようです。
昨日、久しぶりの出来事がありました。
知り合いの若い女性が、
「将来が不安なので株を始めたいんですが・・・」
と私に相談を持ちかけてきたのです。
その女性は私が投資で富を築いたことは知っていますが、
「時鳥」の名で株ブログ等をやってることは知りません。
しかし、何年か前に仕事で会った際に、
「若いうちに投資の勉強をしておいたほうがいいよ」
と言ったのが頭に残っており、
先週末からの爆騰相場をみて私を思い出したようです。
まあ、あれだけの暴騰をみれば、「株=儲かる」と刷り込まれても仕方ありません。
(実際には、1日で1000円も上げるなど、十年かに一度クラスの出来事ですが・・・)
暴騰相場があると、毎度、同じようなことがあります。
以前、似たようなことがあったのは、昨年の4月末頃です。
ある陣営の選挙でご一緒させていただいた、ある年配の方が、
「退職金で株をやろうと思います」と目を輝かせておっしゃいました。
若いころ、一度だけやったバブル時の株式投資で火傷して以来、
20年以上も株なんか考えたこともなかったそうですが、
昨年のアベノミクスと黒田バズーカを目の当たりにして、
「株=儲かる」と心の底から信じてしまったのだとか。
当時、私はやんわりと、
「もうちょっとは上がるでしょうが、そのうち大変なことになりますから、
もう一呼吸ほどおいてからお始めになってはいかがですか?」
と申し上げました。
実際、それからひと月もしないうちにあの大暴落。
そして株価が落ちるだけ落ちた6月の半ば頃に、
「そろそろ買い時だと思いますよ」と申し上げたのですが、
あの大暴落を目の前に見てしまったその方は、今度は怖くなってしまい、
「いやいや、株なんて恐ろしいもの、私なんかとてもとても・・・」と言って、
結局、日経平均12000円台の「超ボーナス・ステージ」を逃してしまいました。
「靴磨きの少年が株のうんちくを語り始めたら、そろそろ天井」
という有名な話が、1929年のNY大暴落の際の逸話としてあります。
私もこれまで、タクシーの運転手が株の銘柄の話題をふってきたら、
百発百中で、遠からず株価は天井に達するのを経験してきました。
チャート上のサインよりも、街で耳にするシグナルのほうがよほど正確です。
マーケットとは究極のところ、人々の「マインド」を反映するものですから、
その「マインド」が発する声に直接耳を傾けるほうが、物事をクリアに見れます。
昨日、「将来が不安なので株を始めたいんですが・・・」と相談してきた彼女は、
おそらく本当に投資の勉強がしたいんだと思いますが、
このタイミングで私にそれを言ってくるということは、
「株=儲かる」と思った初心者が発生した事実をあらわす「シグナル」です。
同じように考えたビギナーの方々が、どっと市場に参入してくれば、
株価はもう一段、二段と上昇していきます。
おそらく、17500円を突破すればテレビでも頻繁に「株長者」の特集が組まれ、
18000円が近づくと、女性週刊誌が「株特集」を組み始めます。
そして、国民の8割、9割が「下がらない」、「株=儲かる」と思い始めた時が、
ヘッジファンドやプロ投資家が仕掛けてくる絶好の瞬間です。
このまま行けばちょうどその頃、
政府が「あの大玉」を出すかどうか、はっきりすると思いますが、
「全弾投入」の後で海外投資家を失望させることになれば、
またぞろ、日本の個人投資家のお金がごっそり海外勢に奪われるでしょう。
ならば、私たちはその逆をやればいいのです。
米国中間選挙はメルマガ25号(9月28日発行)で書いた「津波選挙」となって、
来年以降の米国の方向性が定まりつつあります。
安倍政権の早期退陣論がほぼ完全に消え去った今、
今週末(7日)は米国雇用統計を経て、翌週のSQを通過したあたりで、
おそらく「次の戦い」のシナリオがいくつか見えてくると思います。
人と同じことやっていては儲かりません。
なにせ、90%以上の個人投資家は「カモ」なのですから、
読者の皆様は決して「カモ」の集団に紛れないように。
あるいは、あえて「カモ」と一緒に行進してみることにしたとしても、
「その時」が来れば、背中の力強い羽で誰よりも速く飛び出し、
周囲の「カモ」を出し抜いて、襲ってきたハゲタカを食い殺せるよう、
今からその心づもりをしておかれるほうが賢明だと思います。
次号メルマガ(29号:11月9日発行)では、
そのためのシナリオをいくつか考えてみたいと思います。
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