(午前1時半の更新です)

昨日の日経平均は15円安。

瞬間的に2万円台を超えはしましたが、

FOMCを前にした警戒感や、

やや円高に振れる為替の影響などもあって、

じわりじわりと値を消していって、

日経先物ナイトではさらに下げています。

NYダウはすっかり高値を回復しましたが、

日経平均は相変わらず膠着した形のまま、

やや「不安」が勝りつつあるといえます。

このあとFOMCでどんな材料が出るかで、

膠着を脱する可能性がありますので、

引き続き、注意を要する局面です。

さて。

「深夜国会」の攻防が続いています。

昨日は一日かけて参院のフィリバスターがかわされ、

現在、衆院で内閣不信任決議案の審議中です。

衆院がこれを処理すれば野党の全カードは消滅。

ボールは参院に戻って明朝までには、

「組織犯罪処罰法(※)」は成立するとみられています。

(※政府通称:テロ等準備罪、野党通称:共謀罪)

そのまま参院では一気通貫で刑法改正案の審議・採決。

明日(16日)の午前には改正刑法も成立して、

会期を延長せずに全ての審議日程が終了します。

本来なら「小幅延長」が順当なところでしたが、

結局は官邸が非常に強行に18日閉会で押し切り、

なんとか総理の「逃げ切り」を確保した格好です。

やりようによってはもう少し伸ばせたはずですが、

野党の国会対策はいかにも拙劣さが目立っており、

いくつかあった絶好の球には手も触れなかったため、

むしろ与党側の早期閉会をアシストした形です。

以前から私がメルマガで書いてきたところの、

例の「握り」の噂は真実なのかもしれません。

ただ、政府・与党が最終盤でやった戦術は、

与野党を問わず永田町の住民を驚愕させました。

「中間報告」方式による本会議での採決というのは、

前号メルマガ(第164号:6月11日)で書きましたので、

読者の皆様は驚かれることはなかったでしょうが、

やはり、これは「奥の手」であり「禁じ手」です。

立法府としては可能な限り、避けるべき方式です。

本来、順当かつ穏当に「小幅延長」で審議を続け、

「組織犯罪処罰法」と「刑法改正」を仕上げても、

予算委の集中審議さえ開かないことに成功すれば、

総理の「逃げ切り」は可能であろうというのが、

与党の議員の大半が考えていた日程感です。

しかし、憲政史上、例をみないような、

「奥の手」あるいは「禁じ手」を繰り出してまで、

強引に「16日までに終了」と迫った官邸をみて、

「よほどのことがあるのだ」と、

むしろ、政権の足元の不安についての憶測が、

妙な形で広がったことも否定できません。

国会を閉じて「逃げ切り」となっても、

国会の閉じ方、「逃げ切り」のやり方が、

かなりの程度、「後味の悪い」ものであったことで、

次の「不安」の種を蒔いたきらいがあります。

こういう形の「亀裂」は要注意です。

野党は怖くもなんともありませんが、

与党の一部と霞ヶ関の動きのなかには、

「致命傷」になりかねない懸念もありますので、

次号メルマガ(第165号:6月18日)で分析します。

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