(午前0時半の更新です)

昨日の日経平均はわずかに反発。

午前の参院予算委の証人喚問で、

ほとんどサプライズがなかったことで、

懸念された「籠池ショック」にはなりませんでした。

籠池氏の証言内容がその通りに事実であるならば、

安倍総理夫妻の強い関与は間違いないはずですが、

だからといって総理側にはなんの法的問題もありません。

政治家が「口利き」をするのは当たり前のことであり、

そもそも役人に圧力をかけるのは政治家の本来任務です。

カネをもらってそれをやれば当然ながら違法ですが、

カネをもらわずに陳情を処理するのは完全に合法。

官邸が「逃げ切り可能」とみている理由はこれで、

籠池氏も総理側の違法行為には一切言及していません。

このあたり「安倍総理夫妻を逃がす」というセンだけは、

官邸と籠池氏の間で見解が一致しているとみられています。

ただ、「100万円の寄付」の有無についてだけは、

籠池氏と総理夫妻側の主張は真っ向から食い違っており、

もし、籠池氏のほうの証言がウソならば籠池氏が刑事罰を、

総理夫妻がウソならば政権全体が政治責任を問われますが、

物証がない以上、真相の解明は「悪魔の証明」になります。

おそらくは検察が本気で捜査をしない限り、

うやむやのうちに「迷宮入り」していくでしょうし、

そうして真相がはっきりしない以上、世論の動向は、

「どっちが胡散臭いか」で決まるでしょうから、

昨日、自民党の尋問者が籠池氏の「胡散臭さ」を、

徹底的に印象付ける質疑をしたのも納得できます。

そうこうするうちに「次の大事件」がどこかで起きて、

世論も森友騒動を忘れていってくれるようであれば、

政治的にも「逃げ切り可能」となるシナリオはあります。

ただ、昨日の「籠池ショック」こそなかったといはいえ、

これまで政権に蓄積されたダメージはやはり大きく、

政権側にやや痛い展開がしばらく続きそうです。

財務省関係者の証人喚問でサプライズが飛び出すとは、

ちょっと考えづらいものがありますが、

まだまだ証人喚問は幾人も続く可能性がありますし、

そうしてぐずぐずしているうちに政権側の「反撃」策は、

出せるタイミングが失われることになりかねません。

「逃げ切り可能」とはいえ確定しつつあるのは法的な意味で、

政治的にも「逃げ切り可能」になるためには、

どこかで世論がこの件を忘れてくれる必要がありますが、

いったんメディアスクラムが組まれて世論に火がつけば、

官邸としてはできることは限られてしまいます。

前号メルマガ(第152号:3月19日)で書いた通り、

今、最も警戒すべきは野党ではなく与党間、与党内です。

やはり、あまり芳しくない噂がいろいろ聞こえてきます。

また、米国を中心に外部要因も決して良好ではありません。

特に米国と日本で同時に政治的スキャンダルが勃発し、

両国の政権がダメージを受けているということは、

ある重大なことを示唆する可能性があり、

事実であれば、政権にとっては厄介な話ですので、

次号メルマガ(第133号:3月26日)で分析します。

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