先週末の日経平均は15400円台をキープ。

いよいよ15500円にトライです。

このまま相場が15500円を抜けていき、15000円台後半の攻防になれば、

世間の空気もからりと変わるはずです。

「NY市場、史上最高値!」

「日経平均、●●を回復!」

「アベノミクスはやはり正しい!」

みたいな記事が連日、メディアに登場するようになれば、

この半年の間、NISA口座にお金を入れて、様子見を決め込んでいた人々も、

いよいよ「個人投資家」の看板を上げて参入してくるのではないでしょうか。

特に、若い世代は「ボーナスが増える」こと自体が生まれて初めての経験です。

余ったお金をどうしていいかわからない上、ネットでいろんな体験談を読んで、

「やっぱり個人投資家が最高なんじゃなかろうか」と、発泡酒の酔いとともに確信し、

「株式投資こそが俺の将来を救ってくれる!」と雄叫んでいる頃かもしれません。

しかし、15世紀のオランダのチューリップ・バブルの例をひくまでもなく、

個人投資家が総強気になったときはやはり、危険です。

ヘッジファンドはこういう「お祭り」を醒めた目で見ていますから、

むしろ個人投資家の逆、逆、といったほうが儲かります。

過去のブログ記事でリアルタイム公開していますのでご確認いただける通り、

私が今年、「基盤的国策銘柄」の買い出動をしたのは、

2月の暴落局面で「大底」を打った際の1回のみです。

年初からの予想外の暴落に、皆が慌てふたいめているさなかに、14000円近辺で仕込みました。

そして私は、仕込んだ玉を15000円付近までの反発局面で残らず売って利益を確定しましたが、

当時、15000円が近づくと多くの「プロ」が「押し目買いの好機!」などと囃し、

これを信じた多くの人が「損を取り戻す」とばかり買いを入れた結果、またもやられたのです。

私は、3月以降にやってきた再度の下落局面ではノーポジションのまま、

他の個人投資家が塩漬けになって大騒ぎしているのを冷静に眺めてました。

また、5月に14000円を割った局面では、

「大底」(異常値)が来る直前に、政府の強引な株価操作が始まったため、

ここまでの上昇局面では一切、現物の買いを入れていませんが、

途中の節になる場面での調整をどんぴしゃり正確にとらえ、

日経平均先物にして400円近い値幅を「安心、安全、堅実」に抜いています。

(全てメルマガで事前に予告し、ブログやツイッタ―でリアルタイムに報告してます)

これも、一般の個人投資家が「15000円を超えた!」と買い始めた矢先の調整で、

冷や水を浴びせられた場面で、私が儲けさせていただいたものです。

結局のところ、

皆が怖くなって売っている場面(下の異常値)で買い、

皆が安心して買い始めた場面(正常値)で売って儲け、

皆が熱狂して相場が過熱すれば(上の異常値)で空売りして儲け、

ことごとく世間一般の個人投資家の逆をやった結果、全戦全勝で利益を伸ばしてきたのです。

だから今、また、メディアを中心に景気のいい記事が躍り始めるのを、私は冷静に見てます。

私からすれば、底値から1500円も高い今の株価位置は、目もくらむほどの高値です。

しかし、株価がさんざん上がったのをみると、「いよいよ本物だ」「乗り遅れるな」とばかりに、

メディアが煽り、証券会社が煽り、掲示板がお祭り騒ぎになります。

やがて一般誌の表紙や女性誌の特集が煽り、タクシーの運転手や奥さんの「ママ友」たちが、

「株って儲かるんですってね」

「この際だから株を始めちゃおうか」

なんて言って、ボーナスの残りや、虎の子のへそくりをつぎ込むようになります。

今はNISAなんて便利なものがあり、余剰資金を株に「献金」するよう国策で奨励されてますから、

「日本人だったら株を買え」

「大好きな安倍首相を株を買って支えるんだ」

みたいに熱狂する人まであらわれるんじゃないでしょうか。

そういう局面が来ることを、外資は下なめずりして待っています。

今年、政府が打てる手はGPIFと追加緩和と補正予算くらいですが、それらは秋以降です。

個人が大切な資金で株を買ったはいいものの、政府がどこまで価格維持をしてくれるか。

以前のメルマガではっきり書いていますが、政府が「絶対防衛ライン」として想定するのは、

おそらく皆さんが考えているよりずっとずっと下ですから、

15500円より上の水準で買った玉が塩漬けになっても、誰も面倒をみてくれません。

そんなわけで私は今、ここから上の水準を個人が買ってくるかに注目しています。

もっとも、皆が安心しきっている時だからこそ(特に今日を含めた今週前半)、

ヘッジファンドには売りのインセンティブが働きます。奇襲は効果的だからです。

もし、そんな展開で相場に冷や水を浴びせられれば、個人はまた様子見でしょう。

しかし、そうはならず、いよいよ15500円台後半から個人が買い上がる動きとなれば、

私たちには待ちに待ったチャンス到来。

早速、今週末にはエントリーチャンスが来るかもしれません。

(その場合の、具体的な手法はメルマガ(11号:7月6日発行)に書きました)

相場は心理戦です。

壮大な駆け引きです。

誰かの言ったことを信じて、人と同じ行動をすれば、カモにされるだけです。

読者の皆様におかれましては、皆が浮かれ始めた時だからこそ、

(買うにしても、売るにしても)人一倍、冷静でシビアな目でみて、

その他大勢の一人としてカモられるのではなく、

逆にその他大勢や機関投資家からも利益をふんだくるつもりで、

過剰流動性がもたらすこのヘンテコリンな相場を、勝ち抜いていただきたいと心から願う次第です。

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