昨日の日経平均は小幅に反発しましたが、

基本的には前日終値をはさむ形で、

行ったり来たりのもみあいが続きました。

大幅下落した翌日ですから、

もう少し反発しても良さそうなものでしたが、

上昇の手がかりは全く乏しい一日でした。

日本のGDPの実質年率が減少したことで、

景気後退の不安が裏付けられましたが、

それゆえにこそ安倍政権は内政・外交の双方で、

全力で株高政策を進めています。

実際、今、取り組んでいる「玉」の全てが、

思い通りの成果を挙げるならば、

株高効果はかなり高いとみられています。

ただし、「外交戦」は相手があるため、

蓋を開けるまで成否が明らかではなく、

結局、RCEPと日ロ交渉のどちらも、

決意だけ確認して具体的な成果は先送り。

株価上昇の起爆剤にはなっていません。

外国人労働者の大幅導入という政策転換も、

臨時国会の攻防を乗り切るために、

若干、当初の狙いから下方修正されつつあり、

そのぶん株高効果が減じる恐れがあります。

大きく売り込まれるほどのミスや失敗はなく、

政権の努力には一定の下支え効果がありますが、

しかし日経平均が大きく買われるほどの、

顕著な株高圧力は現時点ではまだだといえます。

外部要因もまちまちです。

米国の仕掛ける「貿易戦争」の影響が、

来年の世界経済の大きな不安要因ですが、

米中首脳会談で一時的な妥協が成立すれば、

少なくとも年内の株高維持は可能です。

英国とEUは離脱について合意いしましたが、

イタリアの財政不安などの問題が燻っています。

原油高が景気を冷やすことは回避されそうですが、

中東の「地政学リスク」は依然として燻り、

東アジアでは北朝鮮の核放棄をめぐって、

やや不穏な気配が再燃する可能性もあります。

このように内外とも好悪の材料が入り乱れ、

売るにつけ買うにつけ判断に困りますが、

しかし、ここ数日の新しい動きのなかには、

来年にかけての動向をさらに鮮明に物語る、

看過できない材料もいくつかあります。

いずれにせよ、景気・経済の大きな流れを、

きちんと踏まえておけば大きくは失敗しませんので、

そろそろ見え始めた来年の景気動向について、

新しく出てきた材料を織り込みつつ、

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