先週末の日経平均は久しぶりに下がりました。

24日の成長戦略を機に売り込みたいヘッジファンドと、

なんとか株価を防衛したい政府PKOの「力比べ」で、

ずっと奇妙な均衡が続いていたものの、

さすがに騰落レシオ160超という過熱感は否めず、

金曜日の午後になって売り方が優勢になりました。

ただ、15000円ラインに近づくや、ポーンと100円以上も跳ね返されるなど、

今年前半のように果てしなく下値を模索する展開とは一変しています。

まだ、過熱感は継続していますので、

このまま、いったんこれを冷ます働き(調整)があるかもしれませんが、

調整が終わり、かつ外部環境に大きな変化がなければ、

もう一度上値をとりにいくのではないでしょうか。

この際の「調整」が深くなれば「買い」のチャンスですし、

その後の上げ局面で勢いがつきすぎれば「売り」のチャンス。

いずれの場合も、エントリーポイントの目安は、

週末のメルマガ(10号:6月29日発行)に書いた

「居心地のいい水準」を参考にしていただけば結構です。

相場が上がろうが、下がろうが、

「異常値」でエントリーし、「正常値」で逃げるという、

私の投資方法は変わりません。

投資法はなるべく単純明快がよく、

機械的に感情を排してやれるほうが優れていると、私は考えています。

ところで。

今週号の英雑誌”The Economisit”の表紙を、

弓矢を持った和服の安倍首相のイラストが飾っています。

でかでかと、”The third arrow”(第3の矢)とタイトルが掲げられ、

「結局のところ、日本はどう変わるのか」
“How Japan is changing at last”

というサブタイトルが打たれています。

記事をみると、安倍首相の成長戦略に対して概ね好評価がなされ、

「安倍首相は正しい第3の矢を携えて戻ってきた」
“This week Mr Abe is back with a proper third arrow.”

とまで結論を述べています。

私の自宅に雑誌が届いたのは、メルマガ(第10号)を書き終えた後でしたが、

メルマガ記事のなかで私が

 「遅々として、遅々として、遅々としてではありますが、
 それでも少しづつ、少しづつ、改革は進んでいます。」

と書いた内容とほとんど同じ評価を、The Economisitが下しています。

確かに、安倍首相の改革スピードは欧米の感覚からすればはるかに遅く、

これまでに何度も海外投資家の失望を招き、

一時は「アベは本当にまだやる気があるのか?」とまで酷評されましたが、

The Economisitは改革の中身をよく分析し、そうした声を明確に否定したのです。

なんといっても、欧米の一流のリーダーが必ず読む「共通言語」のようなものが、

The Financial Times と The Economisit です。

留学先の大学院では、毎週、指導教官が授業の冒頭、

「今朝のThe Financial Timesの、あの記事についてどう思うか?」

と突然の指名(コールド・コール)をするのが習わしでした。

「すみません、まだ読んでません」

と答えようものなら、さも驚いたような顔で、

「君たちは朝6時にThe Financial Timesを読まないのか?」

とたしなめられたものです。

留学生だろうが何だろうが手かげんなく、

毎週の課題図書が1000頁以上あり、

一学期のレポートだけで100頁以上書かされる授業でしたが、

一睡もせず、食事を口にしなくても、

The Financial TimesとThe Economisitは必ず読んでないと、

そもそも知的エリートのサークルに入ることすらできず、

まして、政治、経済、学問の各界リーダーと意思疎通を図るなど、

初めから不可能であるというのが、指導教官の考えでした。

そのため、今でもこのふたつは緊張して目を通していますが、

それらを読むことによって得る「なんとなく」の感覚が、

海外の友人たちとやりとりするなかで非常に役立っています。

朝の電車で日経新聞を読む日本のサラリーマンが、

株式投資やFXで常にちぐはぐな対応をするのは、

おそらく世界の「共通言語」を理解せずに相場をやるからではないでしょうか。

それはともかく、あの、The Economisitが、

アベノミクスの3つの矢全てに、ついに及第点を与えたという事実は重要です。

世界中の投資家はまず、この記事を相場観の基準に置くようになりますから、

先日来、私が申し上げている「長期的な上昇トレンド」を、

海外投資家も織り込みながら日本市場に資金を入れてくるでしょう。

私がメルマガでご紹介している「基盤的国策銘柄」は、

本来であれば「大底」で買い出動するための銘柄ですが、

超長期的な上昇トレンドが高い確率で予測されるのであれば、

「積立投資」や「超長期保有」などの投資法もありです。

(具体的にはメルマガ9号、10号で詳しく解説しています)

アベノミクスは、徹頭徹尾「政策相場」であり「官製相場」ですが、

政策の内容の良し悪しよりも、もっと重要なことは、

その政策が「どうマーケットに評価されるか」という点です。

決定的な権威The Economisitが好評価を与えたことで、

「やはり、アベはやるかもしれん」ということが、

世界的なコンセンサスとなる可能性が高いことは、頭に入れておきたいところです。

もっとも、安倍首相がやる気になっても、

いろいろと、それを許さない事情があり得ることも事実です。

米国、中国、中東、欧州で「何か」があれば、日本政府の努力は一時的に吹き飛びますし、

安倍首相の指導力発揮を阻む「抵抗勢力」が永田町、霞が関にはゴマンといます。

たとえ「長期的な上昇トレンド」が事実であったとしても、

高値圏での余裕のないエントリーをしていれば思わぬ落とし穴にはまります。

それゆえ私は今後も、相場に異常な動きがあって、

「安心、安全、堅実」なチャンスがくるのをひたすら待ちます。

上昇トレンドであれ、下降トレンドであれ、

確実に利益を上げる投資法を、バカのひとつ覚えみたいに続けることだけが、

相場の世界で生き残り、やがて巨富を掴む唯一の方法であるという信念は、

政権がどうあれ、外部環境がどうあれ、まったく揺るぎないからです。

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