「政府税調」の静かな衝撃
昨日の日経平均は、15300円ラインの攻防。
前夜のNY市場の下げにもかかわらず、
ちょっと下げたら押し戻され、
ちょっと下げたら押し戻されしつつ、
引けにかけて15300円ラインが守り切れず、
結局、終値は15266.61円となりました。
109.63円安です。
朝方から何度か売り込む動きもあったようですが、
それほど大きく崩れる局面はありませんでした。
年末には消費税10%を決めたい政府が、
今、何よりも気にするのは7~9月の景気です。
なんとしても、ある線だけは割らせまいとする気迫を感じます。
日経平均の騰落レシオは目の玉が飛び出る水準ですが、
ここからまた一段の上昇があるかどうか。
本日についていえば、昨夜のNY市場が反発したため、
ふたたび15300円台からのスタートとなりそうです。
下が割れないとなれば、上に行くものです。
多くの識者の方々の言うように「大相場」になればいいのですが。
ところで。
昨日、政府税調の内容が公表されました。
内閣府HPにアップされていますので、資料へのリンクを下にはります。
何度も申し上げていますが、投資家たるもの報道だけに頼るのではなく、
重要文書は自分の目で確認したいものです。
報道にはバイアスがかかりますし、プロパガンダもネガキャンもやります。
間違った情報や、歪んだ印象操作で損をしたとしても、誰も責任をとってくれないのです。
⇓⇓⇓ リンクはここから ⇓⇓⇓
■法人税の改革について(案)
予想はされていたものの、ぐっと生唾を飲み込む話が並んでいます。
皆さんも覚えておいでのように、5月後半からのこの上昇局面は、
5月22日に麻生財相が「法人減税容認」を表明したところから始まっています。
法人減税は、日本企業のEPSにダイレクトに影響しますから、
「法人減税5%」で、単純に日経平均は800円やそこらは上昇するのは当然です。
ところが、私は「それだけではまだわからない」と繰り返し申し上げ、
この買い局面には乗らないできました。
法人減税の時期と下げ幅が不明だったことと、
「代替財源」がどうなるか全くわからなかったからです。
なんだかんだで「骨抜き」にされ、
財務省は減税したぶんをきっちり取り返しに来る可能性が高いと読んでいたからです。
実際、上記の政府税調の提案を読むと、
「減税したぶんはきっちり取り返す」という意気込みに満ちています。
・外形標準課税の導入と拡大
・租税特別措置の撤廃
・資本所得課税(個人)の強化
・「法人成り」の実質的な禁止
・各種損金算入割合の大幅見直し
などなど、企業と資本家の懐を直撃するメニューをみて、
はたして今後、株式投資が儲かると思う人が何人いるでしょうか。
無論、個々の政策については評価すべき点もありますが、
「株価」という点ではマイナスに作用するものばかりです。
それもそのはず、
財務省は「法人減税2兆円」ぶんをそっくり取り返すつもりですから、
5月22日以降の株価上昇ぶんがきっちり相殺されるのは当然なのです。
なぜ、私が5月のメルマガで、政府の「玉」出動の時期を完全に的中させながら、
「喜ぶのはまだ早い」として買いに慎重だったのかおわかりいただけたでしょう。
もっとも、政府税調で提案がなされたとはいえ、
これから与党内で議論されたり、官邸が介入したりすることで、
状況はいかようにでも変わります。
その意味では、悲観するのもまだ早いわけです。
いずれにせよ、現在、私は、政府税調の増税メニューが、
今後の株価水準にどう影響するか、各方面の資料を集めて分析中です。
すでに相場は政府税調の検討内容を織り込みはじめていますが、
まだ、どこでも正確な分析はされておらず、
分析したとしても一般投資家には真実を隠して「株を買え」と言うはずですから、
次号の私のメルマガ(10号:6月29日発行)に詳しく書くつもりです。
この内容は、むこう半年の株価水準にダイレクトに影響を与える要因ですが、
現時点の私の感覚では、「居心地のいい水準」がまたずれるような印象を持っています。
インフレターゲット政策は一定の成果を上げていますから、過度な悲観は無用ですが、
根拠のない楽観ムードに乗せられると、命取りになる恐れがあります。
情報を正確かつ迅速に収集し、相場の変動に適時適切に対処していきたいものです。
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