あまり、財務省をナメないほうがいいです。
昨日の日経平均は306.95円の大幅反落。
前日の578.72円の急上昇の、半分以上の値を消した格好です。
ただし、不安を増す中国市場の一方で、NY市場は順調に戻り基調にあり、
現時点では、月曜の上昇や、火曜の下落が、
上下、どちらのトレンドにつながるものか判然としません。
何度も申し上げておりますが、目先は不確定要素が多すぎます。
もし、先週の下落幅がもう一押しし、「異常中の異常値」に達していたのであれば、
そこが「安心、安全、堅実」なポイントになっていたはずですので、
暴落の「底値」で買う準備をしておりましたが、
様々な「ラッキー」もあって、相場はその手前で反転しました。
確かに、先週の木曜や金曜は私の基準でいう「買い場」には達しましたが、
14000円台の後半で買っても利が薄い割に利益が少ないため、出動していません。
エントリーの基準を満たさない時は、テコでも動かないのが私の信条です。
特に、わからない時には「休むも相場」で、状況を見極めることを徹底します。
焦らずとも、そう遠くないうちに、次のチャンスがやってきます。
さて。
相場の方向性をわからなくしている要因のひとつに、消費増税問題があります。
メルマガ読者の方は、ずいぶん前から、
官邸内に増税延期論が広がっていることをお伝えしてきました。
増税延期となればサプライズで短期的に株価が上昇しますから、
これが、8月、9月の「先高感」の下支えにもなっていました。
事実、月曜日には、総理の口から直接的に言及されたことで、
内外の不安要因を吹き飛ばし、暴落から一転しての反騰を引き起こしました。
繰り返しますが、増税延期で短期的には株価が上昇します。
(しかし、長期的には、財政不安から経済に下方圧力がかかります)
しかし、そう簡単に問屋が卸すかどうか。
財務省は総力を挙げて、増税完遂のために動き出しました。
今年9月の時点では、財務省を完全に抑え込んだにみえた安倍政権ですが、
あまり、財務省をナメないほうがいいです。
あの手、この手で、政権を追い詰め、追い込む手段を山のように持っています。
この臨時国会は、ほとんど意味のある法案が出ていませんが、
焦点になるのはやはり年明けの通常国会で審議される来年度予算です。
何をどう言いつくろっても、自民党はやはり利権集団ですので、
いかに財務省と組んで、自分の選挙区や支援者に有利な予算をとれるかが、
所属する多くの議員にとっての、最大、かつ、最重要の課題です。
また、自民党議員がそれをやってくれると期待するからこそ、
地方経済が「期待」に煽られ、それが積もり積もって株高につながるわけです。
これが、アベノミクス「第2の矢」の正体ですし、
昭和の時代から、特に何がどう変わったわけではありません。
ところが、安倍首相は何の前触れもなく、財務省の思惑に冷や水を浴びせました。
「入」である増税を凍結しておいて、「出」である大盤振る舞いなどできません。
財務省が「出」を絞れば、たちまち窮地に追いやられる自民党議員が続出します。
彼らの不満は当然ながら安倍総理と官邸に向かうのですが、
権力基盤が綻びかけた安倍政権に、彼らの抵抗をはねのける力があるのでしょうか。
(ある人物が黒幕となりそうです。次のメルマガに書きます)
ほとんどの方は、こうした報道をさらりと見過ごしていますが、
私達は、「官邸vs財務省」のバトルが始まれば、
その後、必ずといっていいほど、いろんな大騒ぎにつながることを知っています。
財務省にとって、「たかが」首相のクビひとつすげ替えるくらい簡単だからです。
他にも、「官邸vsアメリカ」とか、「官邸vs参院自民党」とかの地雷があるのですが、
さすがに怖いのでブログには書けません。
もちろん、メルマガではモロに書いてます。
ですので、古くからの読者の方は、政治や経済というものはみな、
目に見えない裏の世界のパワーゲームで決まっていくことを、
よくご理解いただいてると思います。(チャートを見るより、よほど正確です)
いずれにせよ、増税延期に舵を切りつつある安倍政権に対して、財務省がどう動くかは、
今後のアベノミクス景気を決定づける最重要ファクターのひとつです。
ひとつ気になるのは、宮澤新経産大臣です。
小渕大臣が就任したとき、経産省は「かわいいパペットがきた」と喜び、
太陽光発電の固定価格買取りを止めたり、原発再稼働を軌道にのせたりと、
好き勝手に大臣答弁を作文して、やりたい政策を矢継ぎ早に実現しました。
9月の株高の背景には、これがあります。
しかし、宮澤大臣となると少し話が違います。
「財務官僚よりも財務省寄り」の宮澤氏が、どこまで経産省の意向を通せるか、
やや不透明な部分があり、もしかしたら、市場をがっかりさせるかもしれません。
はっきりと言います。法人減税です。
安倍内閣は「経産省内閣」と言われていましたが、経産省の悲願は「法人減税」です。
5月後半からの株価の上昇局は、官邸と財務省の「手打ち」の結果、
消費増税と引き替えに、財務省が「代替財源」を条件に法人減税を飲んだからです。
しかし、総理が消費増税をそでにしたら、どうなるのか?
ハプニング的に「財務官僚よりも財務省寄り」の宮澤大臣が経産省の主となり、
法人減税を実現するエネルギーが弱まったところに、財務省が巻き返せば?
そんなわけで、今週になって起こった一連のことに、私は一抹の不安を抱えています。
まだ、誰も書かないし、書けないことですので、
詳しくはまた、週末のメルマガ(第27号:10月26日発行)で。
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財務省はそれほど消費増税にかけているのですね。
それは景気うんぬんよりメンツという事なんでしょうか。
彼らのモチベーションがわかりません?