先ほど、内閣府が新しい「骨太方針」(未定稿)を公開しました。

きちんとした分析は次のメルマガでやりたいと思います。

ただ、私が前号のメルマガで「出尽くし、骨抜き」と指摘しましたが、

案の定、発表されたと同時に日経平均は売り崩しにあっています。

とはいえ、政府は「失望売り」を非常に恐れていますから、

一定以上の値幅で下落すれば、またPKOで下支えしてくるでしょう。

そんなわけで、MSQ明けの相場は、

1)成長戦略は期待薄

2)GPIF等のPKOに期待(警戒)

という思惑が動かすようになるのではないでしょうか。

文書の現物は内閣府ホームページにありますが、

以下に資料内容(未定稿)をコピペします。

投資家たるもの新聞報道をアテにせず、

重要文書には直接目を通しておくべきだと思います。

ぜひ、見出しだけでもご覧ください。

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「経済財政運営と改革の基本方針2014(仮称)」骨子案

第1章 アベノミクスのこれまでの成果と今後の日本経済の課題

1.デフレ脱却・日本経済再生

・「三本の矢」の一体的な推進等により、6四半期連続プラス成長など日本経済に力強さ。
・デフレからの脱却を確実なものとするため、需要の継続的拡大を図る。需給ギャップが縮
小しつつある今こそ新たな雇用・投資・事業展開などのチャレンジを促し、成長戦略の更
なる推進を行う。
・今後の課題は、①消費税率引上げに伴う反動減への対応、②経済好循環を更に拡大し、
民需主導の経済成長につなげるための成長戦略の強化・深化、③日本の未来像に向け
た制度・システム改革の実施、④経済再生と両立する財政健全化の実現。
・昨年の政労使会議のフォローアップを図る。雇用・賃金・その他関連する諸制度の在り方
などの検討が重要。

2.経済再生の進展に向けた基本的方向性

・経済再生進展の鍵は、労働や資本の量的・質的向上に加え、全要素生産性(TFP)上昇
を通じて付加価値生産性を高めていくこと。イノベーション(イノベーション・ナショナルシ
ステムの構築など)とコーポレートガバナンスは特に重要な手段。中長期の安定した投資
促進により成長資金の供給を拡大。
・日本企業が強い健全企業に生まれ変われるよう環境整備に取り組む。
・成長戦略の成果が全国津々浦々まで広がっていくよう、しっかり対応。

3.「創造と可能性の地」としての東日本大震災からの復興

新たなステージを迎えつつある復興を更に加速。廃炉・汚染水対策に国が前面に立ち取
り組む。人口減少・高齢化の中で我が国や世界のモデルとなる「新しい東北」を創造。

4.日本の未来像に関わる制度・システムの改革

2020年を目途に、「人口急減・超高齢化」への流れを変えるために改革・変革。
①50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指す
②経済を世界に開き、絶え間ないイノベーション、高付加価値な財・サービスを創出
③意欲、個性に応じて活躍できる社会、制度、仕組みの構築
④働き場所があり暮らし続けられる地域社会の構築
⑤公共心など社会を支える土台の維持

第2章 経済再生の進展と中長期の発展に向けた重点課題

1.女性を始めとする老若男女の能力発揮

(1)女性の活躍、男女の働き方改革
女性が輝く社会を目指し、男女の働き方に関する制度・慣行や、
ワーク・ライフ・バランスを抜本的に変革。能力や意欲に応じた労働参加と出産・育児の双方を実現。

(2)複線的なキャリア形成の実現など若者等の活躍推進
複層的・複線的な再チャレンジの機会を確保。非正規雇用労働者には教育訓練機会
の確保や処遇を改善。生涯を通じて能力発揮できる人材を育成。

(3)教育再生等
総合的な教育再生を実行。世界トップレベルの学力達成、大学改革、幼児教育無償化
に取り組む。少子化が進展する中、教職員の質を重視した取組を強化。

(4)少子化対策
財源を確保した上で子どもへの資源配分を大胆に拡充。第三子以降への重点的な支
援など、これまでの延長線上にない少子化対策を検討。

(5)健康長寿を社会の活力に
生涯現役社会に向けた環境整備等を推進し、高齢者の健康寿命を延伸し、その経験、
能力を活かす社会を実現。希望する人は70歳まで働ける環境整備も検討課題。

2.経済の好循環の更なる拡大と本格的成長軌道への移行に向けた経済構造の改革

(1)イノベーションとコーポレートガバナンス
革新的技術シーズの事業化等を推進、大胆な規制・制度改革や中長期の成長資金の
供給等を通じて、ダイナミックに産業構造を変革。コーポレートガバナンス向上や金融
機関の目利きなどにより、稼ぐ力の向上を多様なステークホルダーに還元。民間投資
を喚起し、対日直接投資を促進するため、法人税改革を推進(P)。

(2)オープンな国づくり
TPPの早期妥結に向けて引き続き取り組む。対日直接投資推進会議において、案件
の発掘・誘致活動等を推進。外国人材の活用は移民政策ではない。技能実習制度の
見直しや、女性の活躍推進等の観点から国家戦略特区の枠組みで活用を検討。

(3)資源・エネルギー
エネルギーコスト高への対策を講じるほか、資源・エネルギーを安価かつ安定的に確
保。原子力規制委員会の判断を尊重し、原子力発電所を再稼働。

(4)規制改革
健康・医療産業の発展、多様で柔軟な働き方、起業・新規ビジネスの創出・拡大、農業
の成長産業化、対日投資の促進等を重視して規制改革を推進。

3.魅力ある地域づくり、農林水産業・中小企業等の再生

(1)「新しい東北」の創造(P)

「新しい東北」の将来像として示された5つの社会(元気で健やかな子どもの成長を見
守る安心な社会等)の実現を目指す。

(2)観光・交流等による都市・地域再生、地方分権、集約・活性化

オリンピック・パラリンピック東京大会開催に向けた取組を強化するほか、地域活性化、
都市再生、沖縄振興、地方分権改革等を推進。人口急減・超高齢化の克服に向けて、
長期的な視点に立って大胆な見直しに着手。

(3)農林水産業・地域の活力創造

「農林水産業・地域の活力創造プラン」により10年間で農業・農村の所得倍増を目指す。
農業の競争力強化、食料安全保障の確立等を図る。

(4)中堅・中小企業、小規模事業者の躍進

地域の経済社会・雇用を支えていることから、海外を含めた事業展開や人材確保、地
域資源の活用、若者・女性を中心とした創業促進等の支援

4.安心・安全な暮らしと持続可能な経済社会の基盤確保

(1)戦略的外交の推進、安全保障・防衛等

戦略的外交に向けて総合的外交力を強化。また、NSCの下、情報収集や危機管理の
機能を強化。防衛大綱等に基づき、実効性の高い統合的な防衛力を効率的に整備。

(2)国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)、防災・減災等

国土強靱化基本計画等に基づき、重点的・効率的に推進。南海トラフ地震、首都直下
地震等に備えた大規模災害対策等を推進。

(3)暮らしの安全・安心(治安、消費者行政等)

治安や矯正行政、海上保安の基盤強化、海上安全の確保、頼りがいのある司法、交通
安全、サイバーセキュリティーの確保、消費者の安全・安心等を推進。

(4)地球環境への貢献

温室効果ガスの削減をはじめとする地球環境問題の解決、地球温暖化対策、循環型
社会と自然共生社会の実現等に取り組む。

第3章 経済再生と財政健全化の好循環

1.経済再生と財政健全化の両立に向けた基本的考え方

2015年度までにPB赤字対GDP比半減、2020年度までにPB黒字化を目指すとともに、
具体的な道筋を早期に明らかにできるよう検討を進める。諮問会議において、半年毎に
経済財政の動向を点検し、財政健全化の進捗状況を確認。

2.主な歳出分野における重点化・効率化の考え方

(1)社会保障改革

医療・介護を中心に社会保障給付を効率化・適正化。その際、先進的に取り組んでい
る地域の事例を横展開。特に、医療・介護提供体制の適正化、保険者機能の強化と予
防・健康管理、介護報酬改定の取組、薬価の適正化、年金給付のあり方の検討、生活
保護の適正化等に取り組む。

(2)社会資本整備

PPP/PFI の推進など民間活力を最大限に発揮させつつ、国際競争力の強化、地域活
性化、国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)、防災・減災、老朽化対策等の諸課題に、
優先順位を明確化しつつ、計画的に対処。また、マネジメント重視へ転換。

(3)地方行財政制度

経済再生の進展を踏まえて、危機対応モードから平時モードへの切り替えを進めると
ともに、元気な地方を創るための取組を進める。地方財政の透明性・予見可能性の向
上に取り組む。

3.公的部門改革の推進

(1)行政のIT化と業務改革、行革、公務員改革

政府CIO を中心に、運用コストの削減や国・地方を通じた情報インフラの合理化・再構
築を進める。e ガバメント閣僚会議を設置し、全府省で強力に推進。行革、公務員改革
も推進。

(2)財政の質の向上

経済財政諮問会議のチェック機能や分析に基づく提案機能の強化、PDCAの更なる実
効性向上、公共サービス改革の推進、基金創設・積み増しの抑制と執行状況の公表等
に取り組む。

第4章 平成27年度予算編成に向けた基本的考え方

1.経済財政運営の考え方

(1)経済の現状及び今後の動向と当面の経済財政運営の考え方

消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減からの回復過程を注視。引き続き「三本
の矢」を一体的に推進。平成25年度補正予算及び平成26年度予算の早期執行、経済
の好循環と民需主導の経済成長に向けた環境整備に取り組む。

(2)中長期的な経済財政の展望を踏まえた取組

・デフレからの脱却、経済再生を確実なものとしつつ、PB赤字対GDP比半減目標の達
成を目指し、前年度予算同様、「中期財政計画」に沿って最大限努力。
・消費税率10%への引上げは、税制抜本改革法附則18条に則って、平成26年中に判
断。諮問会議では経済状況等の総合的な勘案に向けて必要な検討を行う。

2.平成27年度予算編成の基本的考え方

本基本方針、「改訂日本再興戦略(仮称)」、「中期財政計画」を踏まえ、民需主導の経済
再生と財政健全化目標の双方の達成を目指し、厳しい優先順位付け等を行い、メリハリの
ついた予算とする。

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