「アベノミクス2.0」で勝つために。
昨日の日経平均は典型的な「SQ相場」でした。
ほとんどこれといった理由もないのに、「思惑」だけで300円もの上昇です。
ただ、先週末からギリシャの「瀬戸際戦術」に攪乱されて上値が抑えられ、
下値では公的資金の防衛出動によって値崩れするのも防がれたため、
どうにも、すっきりとしない株価位置でSQを迎えることとなりそうです。
おそらく、ギリシャがごちゃごちゃ言わずにいれば、今回のオプション清算値は、
昨年末最高値を突破して18500円の「異常値」がターゲットとなっていた可能性があり、
また、政府PKOによる公的資金が買い支えなければ、火曜からの3営業日連続の下げで、
17000円の「異常値」をターゲットとした攻防になっていたのではないでしょうか。
「時鳥トレード」としては「正常値」にある限り動けませんので、
次にクリアに「異常値」をつけるチャンスを待つつもりです。
(朝イチの寄り値が思ったより高そうなら、メルマガに書いた例のやつをやりますが)
心配しなくても、遠からず相場は大きく動くように思います。
ウクライナの停戦合意がマラソン協議のすえひとまずの合意に達したようで、
後はギリシャさえまともな形で交渉にのってくれば「冬の嵐」は完全に終わります。
年明けからずっと私が指摘してきた、春先までの上昇が現実のものとなれば、
そのなかでいろいろとチャンスが出てくるはずです。
このあたりのことについては、詳しくは次号メルマガ(第43号:2月15日発行)で。
さて。
昨日の国会は、ようやくの総理演説。
実際にテレビ中継を聞かれた方もおられるでしょう。
政権側が「戦後以来の大改革」と胸を張っていますが、
もともと「サプライズ」が出る性質の演説ではありませんので、
全てすでに報じられている内容ではあります。
ただ、通常国会に提出された「予算案」「法案」そして「施政方針演説」を通読し、
2年前と比べ、政権の経済政策に対するスタンスにやや変化が出てきたように思います。
第1次安倍政権(2007年)は「小泉改革」「上げ潮派」の流れをくむとみられており、
新自由主義的な規制改革路線を経済政策の柱にしてきました。
この6月で3度目となる「成長戦略」は、「いかに規制をとっぱらうか?」が主眼であり、
規制緩和が十分でないと「抵抗勢力に屈した」と評価されてきました。
ところが、2012年の首相への再就任以来(第2次、第3次政権)、
規制改革と新自由主義的な経済政策への熱意は徐々に消え、
それよりは政府主導、官主導の統制経済的な色彩が濃くなってきています。
昨日、ぶち上げられた「戦後以来の大改革」の「イの一番」は「農業改革」でしたが、
「農協」を組織改革するとはいえ、「農業」の基本的なあり方は変わっておらず、
中央政府がすべての農家をコントロールし、保護する構図はこれまでと同様です。
「資本制度改革」や「法人税引き下げ」など資本側、企業側の改革は進んでますが、
「雇用規制改革」はむしろ完全雇用を目指して政府の統制が強くなっています。
また、新しい時代の有望産業分野は、全て中央政府が指定します。
医療イノベーションや生化学分野など、政府が「これ」と言ったら支援されます。
新しい電力エネルギーのベストミックスは「原子力20%」を前提とする以上、
再生可能エネルギー分野でのイノベーションはもはや期待されておらず、
目下進んでいる電力システム改革も「原発維持」を大前提としてなされます。
また、トヨタやホンダの燃料電池車開発を後押しすべく、
国主導、官主導での「水素社会への転換」が本格的にスタートします。
これまで、アベノミクスが志向すると思われてきた新自由主義的な色彩は消え、
統制色、計画色の濃い、中央政府主導の経済政策が柱となってきています。
その意味では、当初、模範にした英国のサッチャリズムなどもモデルよりも、
1940年の国家総動員体制に基づく統制経済に近いイメージです。
こうした点は、私以外はまだ誰も指摘していないようですが、
官邸の経済政策において「経産省ひとり勝ち」が鮮明になるに従って、
世間でもだんだんと認識されてくるのではないでしょうか。
私はこれまで、この6月の「成長戦略第3弾」をもって、
アベノミクスは次の段階に移ると考えてきました。
これまで3年間続いてきたアベノミクスを「アベノミクス1.0」とするならば、
年央以後は「アベノミクス2.0」に移行するというわけです。
それは、安倍政権が政策目標としてきた株価がほぼ達成されたという前提を受け、
安倍政権の政治的な「悲願」である「改憲」を下支えするための経済政策です。
私のメルマガやブログは経済学的、政治学的な考察をするためのものではなく、
その時々の相場状況で「負けない」ため最適な戦略、戦術を分析することが目的です。
もし、統制色の強い「アベノミクス2.0」になれば、
はたしてどんな戦略が最も「負けない」ものになるのでしょうか。
長期的な「基盤的国策銘柄」のあり方も含めて、
次号メルマガ(第43号:2月15日発行)で分析してみたいと思います。
「政策に売りなし」という相場格言がありますが、
投資というのは、その時々の経済政策にフィットしていれば、まず負けないものです。
お楽しみに。
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