「来年のこと」を見越した動きが始まっています。
週明けの日経平均は大幅続伸。
米中の「一時休戦」で安心感が広がり、
株式市場に戻り局面をもたらしました。
条件つき、期限つきの「一時休戦」であり、
いつ暗転するか予断を許しませんが、
米中間で協議が進む見通しがあることは、
やはり株価にとってはプラスではあります。
また、安倍政権の内政・外交の「玉」も、
日経平均に上昇圧力をかけています。
北方領土問題の進展については、
軍事衝突が日ロ交渉に水を差さないか、
結果に対する国内世論の「反応」はどうか、
いまひとつ不透明なところはありますが、
現時点で交渉自体は「オン・トラック」であり、
経済政策・株高政策の機能を果たしています。
また、臨時国会のほうは残り7日の会期が、
消化試合のような形になっています。
通るはずのない法案が与野党ともに驚くほどの、
超スピードで審議・採決された理由について、
前号メルマガ(第241号:12月2日)のなかで、
詳しく解説しているところです。
この臨時国会での異常事態が「先例」となり、
「新しい常態(ニュー・ノーマル)」として、
今後も踏襲されていくようであれば、
少なくとも多くの投資家が枕を高くして、
眠れない日が来ると思われるのですが、
ともあれ、超スピードでテンポ良く、
経済政策、株高政策が繰り出される上に、
どんな法案を審議、採決をしても、
政権が足を掬われないというのであれば、
「当面の」日経平均にとっては、
やはり安心材料として作用します。
国会は今週末には野党が抵抗して、
徹夜国会もあり得るとみられますが、
10月末から11月いっぱいにかけての、
ピリピリした緊迫感は大幅に後退して、
政府・与党の目はすでに来年に向かって、
次なる「玉」を考え始めているようです。
とはいえ。
「来年のことを言うと鬼が笑う」と言いますが、
今は来年のことを考えると笑えるよりも、
顔がこわばる材料が多いことも事実です。
前号メルマガでも少し触れた通り、
米国の長期金利や米中、日米の交渉、
またロシアをめぐる軍事的な動きなど、
そう予断を許さない案件は多いです。
安倍政権は少なくとも参院選まで、
なんとか株高を維持したいところですが、
それができるかどうかは不透明ですし、
参院選の後はさらに不透明になります。
こうした「来年のカレンダー」を見据えて、
与党内ではいろいろな動きが出てきており、
それは来年の日経平均の値動きにも、
今後、密接に影響してくると思われます。
こうしたことに関する期待と不安の双方が、
日経平均の上値余地を決めていくはずです。
次号メルマガ(第242号:12月9日)では、
一連の「外交戦」と臨時国会を踏まえ、
先々の展望を分析していくつもりです。
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