早くも暗転。やはり笑えない「来年のこと」。
昨日の日経平均は想定外の大幅反落。
直前に7連騰していたことを考えると、
調整はあっておかしくはありませんが、
そのきっかけとなった材料が問題です。
米国の金利動向がまた市場を攪乱し、
早くも「米中対決」が再燃しつつあり、
欧州は途方もない混乱が懸念されるなど、
世界経済の波が再び高くなっています。
昨夜のNYダウは800ドル安という、
またしてもの大暴落となっており、
せっかく「凪」となりかけた情勢が、
早くも暗転しつつあります。
米国の長期金利はどちらに動いても、
市場を攪乱しかねない厄介な要因ですが、
長短金利差が逆転する現象が発生したことで、
為替と金融業界が大きく動揺しています。
また、米中の90日間の貿易協議についても、
昨日のエントリーでは、
「いつ暗転するか予断を許しません」
と書きましたが、合意からわずか2日間で、
暗転を示唆する発言や材料が相次いでおり、
株価の戻り機運を大いに削いでいます。
加えて、米国政府、金融当局の要人達からは、
中国との貿易摩擦とはまた別の意味で、
「来年のこと」を心配させる発言が相次ぎ、
大いに上昇意欲を削ぐ格好となっています。
特に米国の金利動向にかかわる発言や観測は、
為替と日本株を直撃するものであるだけに、
日経平均にとっては痛手となります。
何らかのきっかけで相場が動揺するのは、
やはり「来年のこと」への心配が、
市場参加者に共有されつつあることが、
その背景にあるものと思われます。
さらには、欧州情勢の不透明さもあります。
英国では「合意なしの離脱」の観測が、
じわじわと現実味を帯びつつありますし、
イタリアやスペインも大きな攪乱要因です。
欧州経済を支えるべき2本柱である独仏は、
いずれも指導者が政治的な意味で窮地にあり、
パリ市内は文字通りに「炎上」しています。
欧州の情勢はなんとも困難であり、
来年の政治・経済日程を考えるにつけ、
あまり良い材料が見当たらないのが厄介ですが、
今週に入って加速度的に不安が増しています。
せめて米国の長期金利が安定し、
米中関係が改善に向かっている限り、
こうした混乱による下げ圧力に対抗して、
株式市場に戻り圧力をもたらすことができ、
年内はまずまずの株価を維持できるでしょうが、
米国発の情報の多くはその逆を示していますから、
そうした期待がしぼむのも当然ではあります。
最大の救いは安倍政権の健在ぶりです。
臨時国会は日程的な目処がついたとはいえ、
最終盤の攻防を乱暴にやり過ぎるならば、
世論的な「逆風」を誘発しかねませんから、
明日、明後日の駆け引きは注意が必要です。
何事も緊張してピリピリしている時は、
意外に無難に切り抜けられるものですが、
安心して油断し切っている状況になると、
えてして大きなヘマをするものであり、
ひとつのミスが連鎖的に影響して、
思わぬ致命傷につながることはあり得ます。
例の「ゴーン・ショック」の効果が切れて、
メディアも世論も飽きてきたところに、
国会攻防が悪目立ちするのはうまくないです。
臨時国会の「後」のことも考えて、
できれば「深夜国会」を避けることとし、
なるべく穏便なムードを演出するために、
政府・与党は最後の詰めの真っ最中ですが、
日経平均が昨日の調整反落から挽回して、
まずまずの株価で年を越すためには、
そうしたことも重要な要素ではあります。
いつの時代も「政界は一寸先が闇」ですし、
どこまでいっても「相場は生き物」です。
不透明さが消えない局面においては、
特定の思惑にとらわれず、欲をかき過ぎず、
刻々と変わる情勢を適宜適切に把握して、
打ち手を間違えないことが最重要ですので、
明鏡止水に情報を収集・分析して、
次号メルマガ(第242号:12月2日)で展望を述べます。
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