6月の市場に起きること。
日経平均は昨日も大幅な続落。
連日のように衝撃的な材料が飛び込み、
再び日経平均を弱気に傾けさせています。
トランプ大統領が日独の自動車産業を狙って、
25%の関税引き上げを仕掛けてきたことは、
自動車産業への依存率が高い日本には、
極めてインパクトの強い悪材料です。
米国側がこうして先制パンチをしてきたのは、
中国との貿易交渉が一段落したことが背景にあり、
いよいよ日米二国間に焦点が移行しそうです。
安倍政権は6月にも始まる「新交渉」に向けて、
折から準備を進めてきたところですが、
米国側に先制パンチを放たれてしまいました。
「新交渉」で取り上げられる内容如何によって、
市場は上下に激しく揺さぶられる恐れがありますので、
次号メルマガ(第214号:5月27日)で分析します。
そして米朝首脳会談の中止です。
米国側からのコメントをみる限り、
まだ対話の窓口は閉じられておらず、
北朝鮮側の出方次第で再開の可能性はありますが、
いかんせん北は「火遊び」をし過ぎます。
当面、会談が延期されたからといって、
米軍が即座に軍事行動を起こすことはなく、
またJアラートが毎晩鳴るとも思えませんが、
市場にとってプラスではないのは確かです。
日本にとっては安倍政権のシナリオが狂い、
政局に大きな影響が出ることが気がかりです。
この点は安倍政権の延命の可能性とも、
かなり直接的にリンクする事柄だけに、
次号メルマガでまた詳しく分析する予定です。
国内政局も騒然としてきました。
終盤国会のひとつの「ヤマ場」だった今週を、
安倍政権は良くない形で越えようとしています。
安倍総理らがロシアに向けて出発して、
国会はしばし「休戦状態」となるはずでしたが、
愛媛県の「新文書」や財務省の「新資料」により、
国会日程は大いに混乱しつつあるところです。
今日もまた「働き方改革」法案の通過が阻止され、
参議院での審議が来週半ば以降にずれ込むようなら、
6月の国会は当初、考えられていたものよりも、
かなり波乱含みになる恐れは否定できず、
少なくとも会期の延長は視野に入ってきます。
6月の国会を波風穏やかに会期内で閉じて、
国民の関心を他の事柄に向けていくことが、
政権の延命シナリオの基本だったわけですが、
どうもそこに狂いが生じてきており、
政権の行方には再び黄信号が灯りつつあります。
政権は6月は株価と政権を浮揚するために、
いくつもの「玉」を準備しているところですが、
やはり「茨の道」のなかを歩んでおり、
以前の傷が癒えたともいえないところです。
ここから先、出血を止めることができなければ、
かなり重大なことになりかねません。
ともあれ、6月にはいくつも重要な案件がありますので、
それらを次号メルマガで詳しく点検した上で、
日経平均の先行きを展望する予定です。
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