日経平均は本来ならあり得ない株価位置で、

ほとんど「膠着状態」となっていますが、

2万2千円ラインで跳ね返された後は、

全般的にじわりと下げる方向に行った先週でした。

いずれにせよ安すぎますので、

良い安心材料が出て買い戻しが始まれば、

ぽーんと上昇してもおかしくはずですが、

内外で悪い材料がたくさんあり過ぎて、

投資家に買うタイミングを与えてくれません。

前号メルマガ(第204号:3月18日)で見た通り、

海外要因からは「不透明」さが払拭できません。

ただ、米国の金融政策と貿易政策がどうなるかは、

FOMCを経て、一連の経済閣僚の後任が決まれば、

ある程度の方向性は定まってきそうですので、

今週の焦点はそうしたところかと思います。

また国内要因はいよいよ正念場です。

参院予算委の集中審議が開かれますが、

「財務省理財局の単独犯」という説明で、

はたして政権側が逃げ切れるものかどうか。

各社調査とも政権支持率は急落しており、

第2次政権発足以来の最低値を示すものもあります。

過去には、特定秘密保護法や安保法制、

そして組織犯罪処罰法(テロ等準備罪、共謀罪)と、

国論が分裂した法案の審議と採決を急いで強行し、

国会を閉じた直後に支持率は「底」となりました。

しかし今回は国会を閉じるのはまだまだ先で、

これから「丁寧な説明」をしなければなりません。

それでも政権は「粘り腰」の構えです。

野党側があんまり賢いとはいえないことと、

「組織防衛」のかかった財務省の「頭脳戦」が、

政権にとってやや安心材料といえますが、

しかし、支持率がここまで低下してくると、

与党内の「安倍おろし」が警戒されてきます。

これまた前号メルマガに書きましたが、

今週以降の焦点はまずは麻生財相を守り切り、

政権全体への火の手を最小限にすることと、

メディアと国民の関心を逸らす「別の話題」を、

いかに効果的に投入して「反転攻勢」に備えるか。

いずれにせよ日本の政治史上に残るような、

激烈な攻防が繰り広げられています。

海外投資家も大いに注目しているところです。

仮に「アベグジット」になった場合、

後継政権がどうなるかまだ何もわかりませんので、

当面は「政権の命運と日経平均は一蓮托生」といった、

そういうわりと単純な構図になってしまいます。

政権が窮地を脱せば日経平均にもまた「光」が差し、

内閣が行き詰まれば市場も「闇」に覆われると考え、

投資家としては政局の見極めは必須といえます。

今日以降、出てくる国政関連のニュースには、

ふだん以上にアンテナを張っておきたいところです。

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