昨日の日経平均は大幅反発。

一時500円超の大幅上昇です。

一昨日の「粘り腰の攻防」で、

21000円の「節目」をなんとか守ったところに、

米国株の上昇という「追い風」もあって、

久しぶりにまとまった上昇をしました。

トランプ大統領は相変わらず強気を通していますが、

政府高官や議会の大物達は「火消し」に奔走中です。

対米黒字国だけでなく米国自身の損害を考えると、

全世界を相手に全面的な「貿易戦争」をやるのは、

かなりハードルが高いようです。

(もっとも、トランプ政権がそういった懸念を、

どこまで考慮するかは不透明ではありますが)

夕方にはサプライズが飛び込んできました。

朝鮮半島での「南北首脳会談」が発表されました。

首脳会談をやって何を決めるのか不透明ですが、

少なくとも「半島有事」を後ろ倒しさせる効果は、

現時点で認められるところです。

北朝鮮が本当に核を放棄するつもりはあるのか、

韓国が北の「時間稼ぎ」を助けているだけなのかは、

今後の推移を見極めるしかありませんが、

「南北首脳会談」は4月末とされています。

さすがに「対話」の可能性があるうちは、

問答無用で攻撃するのは困難と思われます。

このように先週の「悪夢の金曜日」の衝撃を、

少し緩和させる材料が出てきたわけですが、

国内では安倍政権の努力もあります。

昨日は政権の国会対応が焦点となりました。

「一発退陣」に至る恐れもなくはなかっただけに、

昨日の永田町は朝から極度に緊張していました。

政権が倒れるか、朝日新聞が滅ぶかという局面ですが、

政権側が簡単には白旗を揚げることなく、

「粘り腰」の国会対応戦術を採用したことで、

例の「書き換え問題」は長期化する見通しとなり、

内閣が早期に瓦解する可能性はやや遠ざかりました。

また、昨日午後に行われた参議院での聴聞で、

日銀の黒田総裁が答弁のトーンを一変させ、

「出口」について慎重さを取り戻したこともあります。

上記のように懸念が和らぐような材料が出て、

日経平均にもいったん買い戻しが入った格好です。

一般的にメジャーSQ週の際は、

上か下か一定の方向性が出たならば、

あとはひたすら走ることがよくあります。

昨日が「魔の火曜日」とならなかったのは、

前途に少し希望を持たせる話といえます。

もっとも。

依然として「平時」といえる状況になく、

過去の一般論が通用するかどうか、

はっきりと断言できる根拠は何もありません。

500円超の上昇は大きいといえば大きいですが、

先週後半からの下落幅と比べてみると、

当然にあり得る範囲の買い戻しのレベルです。

日銀が市場の動揺に配慮をみせつつあるのは、

ひとつの朗報といえるのは間違いありませんが、

来年以降の「出口」を考えている事実は変わらず、

「円高」を反転させるほどの材料ではありません。

何より安倍政権の今後です。

疑惑をめぐる国会での攻防を長期化させつつ、

「脱出」と「反転」の方法を考えるのはいいのですが、

問題はどうやったら逃げ切れるかです。

疑惑を一切、否定することなく、

いつまでも「確認できる状況にない」では、

ずるずると政権の体力は奪われ続けます。

長期化すればするほど「脱出」は困難になりますし、

「反転」するにはよほどの決定打が必要です。

与党内にも激しい反発の声が広がり、

与党系のメディアも後追いの記事を出す状況では、

安倍政権の前途に灯った「黄信号」はだんだんと、

「オレンジ」か「赤」に近づいていってしまいます。

いずれにせよ「正念場」は続きます。

永田町では与野党双方の駆け引きが、

非常に激しくドラマチックになってきましたので、

次号メルマガ(第203号:3月11日)で詳述します。

与野党「間」、与党「内」、野党「内」とも、

それぞれ「正念場」といえる状況になってきました。

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